【湘南】遠藤航インタビュー 「アジア大会で結果を残すのも大事なミッション」

2014年09月12日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「流れの中での得点は必要。シュートへの意識は上がっている」

今シーズンはふた桁ゴールを目指すという遠藤。ミドルシュートにも磨きをかけた。 (C) SOCCER DIGEST

 21歳とは思えぬ風格を漂わせるこのディフェンスリーダーは、J2を独走する湘南にとって不可欠な存在だ。DFながら圧巻の攻撃センスを身につけ、リオ五輪を目指すU-21日本代表では複数のポジションへの対応に自信を見せる。遠藤航は、常に新しい自分を追い求めて進化している。
 
【写真】U-21日本代表 アジア大会メンバー
 
――昨シーズン怪我で離脱した反省を踏まえ、オフに下半身の強化に取り組んだそうですね。30節終了時点で全試合に出場。成果が出ているのでは?
「そうですね。フィジカル面の向上は、自分のなかでひとつの課題でした。怪我が完治した後も自主的にトレーニングを続けていますし、怪我をしない肉体を作るうえで筋肉量の増加や身体の使い方には成果を感じています。『身体が大きくなった』と言ってくださる方も多いですね」
 
――山形戦の勝利で、2012年に昇格した時の勝点75を超えました。ここまでの戦いぶりを振り返って率直な感想は?
「まだ1敗しかしていないのは、素直に凄いなと。ここまでの成績を残せるとは、僕たちも予想していませんでした。3年前から曺さん(監督)の目指すスタイルを始めて、ブレずにクオリティーを突き詰めてきたからこその結果だと思います」
 
――「継続と深化」というチームテーマのなかで、遠藤選手自身はどんな意識でゲームに臨んでいますか?
「今シーズンは3バックの右で使われることが多いので、オーバーラップのタイミングや、最後をクロスやシュートで終わらせるといった、攻撃のバリエーションをテーマにしています。DFとして守備には自信を持っている分、今は攻撃に関する運動量とかに気を配っていますね」
 
――センターと右の違いは大きい?
「ボールを受けたり、攻撃参加する回数は確実に増えました。昨シーズンは上がるというよりもバランスを取るイメージが強かったんですけど、今は後ろにマルくん(丸山祐市)が1枚いるので、球際やクサビに対してボールを奪いに行きやすいですね」
――遠藤選手の武器であるビルドアップも、右のほうがより活きている印象です。例えば3節・札幌戦の先制点の場面(注/遠藤のクロスにウェリントンがヘッドで合わせ得点)。
「より高い位置でボールを受けられることが多く、ビルドアップやクサビを入れる際にやりやすさを感じます。僕のところでボールを奪えば、チャンスにもなりますから」
 
――今シーズンはシュート数も41本と、例年と比べて3倍近くに増えています。
「シーズン当初はシュートをどんどん打って点を取ろうとはイメージしてなくて、セットプレーで自分の良さを生かして得点に絡めればいいなと考えていました。でも、流れのなかで得点を取るのはチームとしても、個人としても成長するうえで必要になる。(24節の)福岡戦あたりからミドルシュートに手応えを感じ始めて、(27節の)栃木戦でゴールを決められた。これも自分の武器にできればいいなというところで、少しずつシュートに対する意識が上がってきています。ただ、重心が攻撃に行き過ぎたと、後で反省することもまだまだあります。監督が『ミスを恐れずにやれ』と言ってくれているので、まずは自分で考えて判断してみて、それでダメだったら課題を修正する。その繰り返しで成長が生まれると思うし、そこで消極的にやるのではなく、どんどんチャレンジしていきたいですね」
 
――自身初の3戦連続ゴールを含め、ここまで7得点。早くも自己記録(12 年の7点)に並んでいます。
「自己記録は絶対に更新したいですね。今シーズンはふた桁得点をひとつの目標にしていますし、クロスからのアシストも5本を狙っています。もちろん守備でしっかり無失点に抑える、1試合1失点以下に抑えるのが大前提ですけど、それらをクリアしながら攻撃でも10得点・5アシストを残せたら、自分も少しは成長できたと思えるシーズンになるかなと」

次ページ「リーダーシップは常に意識してきた。任されれば年齢は関係ない」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事