【鹿島】さすがの勝負強さ! 人生の中で「ここは外せない」一戦で伊藤翔が示した矜持

2019年02月19日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ひとつ最低限の結果を出せたのは良かった」

一瞬の隙を見逃さず――こぼれ球に素早く反応した伊藤が、チームを勢いづかせる先制点を身体ごとねじ込んだ。写真:滝川敏之

[ACLプレーオフ]鹿島4-1ニューカッスル/2月19日/カシマ
 
 大事なゲームで、結果を出してみせた。
 
 負ければ、ACL本戦への出場権を失う。そんな一戦で、今季から新加入の伊藤翔は2トップの一角で先発し、18分にチームを勢いづかせる先制点をゲット。ゴール前のこぼれ球に素早く反応して、滑り込みながら身体ごと押し込んだ。
 
「ここは外せないな、っていう試合が人生の中で何回かある。そこで結果を出してきたから、今もサッカー選手としてやれている自負はある。そういう意味でも、今日の試合でも決められた。もちろん、もっと良いプレーをして、もっと点を決めたかったけど、ひとつ最低限の結果を出せたのは良かった」
 
 上々のアピールだ。FWとしては当然、期待されているのはゴール。自らの存在意義をはっきりと形として示した。
 
 ゴールの場面以外でも、いくつかのチャンスに絡んだ。27分には安西幸輝のクロスから決定機を迎える。しかし、これは相手GKの好セーブに阻まれた。
 
「あれは決めたかったですね……まあ、練習します(笑)。思った以上に、シュートが中側に行ってしまったので。外側を狙いたかったんですけど」
 
 長いシーズンは始まったばかり。今後も熾烈なレギュラー争いが待ち受けるが、「良い選手とプレーできて、試合の中でも優位性を出せれば、それはサッカー選手として楽しいこと。強いチームなので、良い選手がいて、ポジション争いがあるのは当たり前の話。そこで自分がどう示すか。僕も頑張るし、一緒に頑張っていけたらいい」と"共闘"を強調する。
 
 タイトルを義務付けられた常勝軍団で、30歳の円熟味を増したストライカーのさらなる進化と勝利への貢献が楽しみだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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