日本の連覇の可能性は? 9月14日開幕のアジア大会に挑むU-21日本代表の4つの注目ポイント

2014年09月11日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

個々の判断力を生かし、いかに勝負に徹した戦いができるか。

懸念される攻撃面で明快な結果を残せれば、快進撃を見せる可能性は十分にある。鈴木らアタッカー陣のゴールが期待される。(C) SOCCER DIGEST

ポイント1)手倉森監督が標榜するサッカーとは?
 
 ベースとなるのは「全員守備・全員攻撃」。ピッチに立つ11人が攻守両面で積極的に動き、躍動感溢れるサッカーを展開する。手倉森誠監督は「個人に頼るのではなく、全員で作り上げた時、それがストロングポイントとなり、強いチームになる」とチームが目指す方向性を示している。
 
 まずは守備から入り、安定したビルドアップでボールを前に運ぶ。縦パスを起点に連動したアタックで中央から切り崩すか、あるいは両サイドからの厚みのある攻撃を仕掛ける。ハイプレスからのショートカウンターも武器のひとつだ。
 
 さらに指揮官が重視しているのが「柔軟性と割り切り」だ。
 
 前者に関しては、これまで4-3-3や4-4-2のほか、3バックや5バックなどもテストしているが、複数のシステムに対応するだけでなく、状況に応じて自分たちでシステムを変えていく判断力を選手に求めている。
「頭を柔らかくしておけよっていう話はしているし、理解力があるチームなので可能性を感じています」
 指揮官はこう語り、選手の判断で臨機応変に戦っていく考えを明らかにしている。
 
「割り切り」とは、なによりもチームの勝利を優先するということだ。例えば2-0でリードしているシチュエーションで、リスクマネジメントを怠らず、確実に試合を終わらせる。あるいは、理想とする戦い方ができなくても勝負に徹するという考え方だ。
 
 まずはチーム一丸となって全員が攻撃と守備の両方に全力を注ぎ、豊富なバリエーションと個々の自立性を織り交ぜながら、勝利至上主義を貫く。それが手倉森ジャパンのスタイルだ。
 
2)チームの長所と短所は?
 
 今年1月のチーム立ち上げから主軸の顔ぶれに大きな変化はなく、土台は着実に固まっている。
 
「みんな仲が良いし、練習のなかでも、もっとこうしたほうがいいんじゃないか、という声も増えてきている。お互いに高め合っていこうとする意識がすごくある」(喜田拓也)と、切磋琢磨できる環境ができ上がっているのもポジティブな点だ。
 
 戦術的には、これまでのキャンプでは守備の強化により多くの時間が割かれ、手堅い戦いが期待できる一方、攻撃面に関してはまだまだ「未開発な」部分が多い。相手に守りを固められた時、それを崩し切るための引き出しは十分とは言えないか。Jリーグで出場機会に恵まれず、実戦経験の乏しい選手が少なくないのも不安要素のひとつだろう。

次ページグループリーグは「死の組」。突破できれば4強入りを懸けて宿敵との対戦か。

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