今シーズンのセリエAでブレイクした新星が、チャンピオンズ・リーグ（CL）の大舞台でもスポットライトを浴びた。２月12日、ポルトとの決勝トーナメント１回戦第１レグで２得点を記録し、２-１の勝利に貢献したローマのニコロ・ザニオーロだ。

　ラジャ・ナインゴランのインテル移籍に伴い、入れ替わるかたちでローマに加入したザニオーロは、レアル・マドリーとのCLグループステージ初戦というビッグマッチでトップチームデビューを飾り、一躍時の人となった。
 

　その後着実に出場機会を増やしたザニオーロは、昨年12月から完全にレギュラーに定着し、リーグ戦で３得点をマークするなど脚光を浴びるように。そして今回のドッピエッタ（２得点）で、ヨーロッパにもその名を知らしめた。19歳225日でのドッピエッタは、CLではイタリアの最年少記録だ。

　当然、ローマのサポーターは新たなアイドルの登場に熱狂している。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、一部のファンからは、あのフランチェスコ・トッティが纏っていた背番号10を受け継がせようとの声も上がっているという。

　確かなのは、注目する強豪が少なくないということだ。『Gazzetta dello Sport』紙によれば、ユベントスやチェルシー、レアル・マドリーといったメガクラブがザニオーロに関心を寄せている。だが、代理人や親は当面の移籍を考えていないようだ。

　もちろん、ローマとしても宝石を簡単には手放したくないところ。そのため、ポルトとの第２レグが終わり次第、３月中旬から契約延長交渉を始めるようだ。現在の契約は2023年までだが、2024年まで１年延長すると見られている。

　契約更新時のサラリーアップは当然だ。現在の年俸は30万ユーロ（約3900万円）だが、新契約ではボーナスを含めて最大250万ユーロ（約３億3000万円）まで上がる可能性があるという。実現すれば、１年も経たずに給料が８倍以上に増える計算。まさにシンデレラストーリーと呼ぶにふさわしい。

　ローマ・サポーターを喜ばせるだけでなく、イタリア・サッカー界の未来を担う存在として大きな期待を寄せられているザニオーロは、これからもスター街道を走り続けていくのだろうか。