【神戸】元スペイン代表FWの動き出しに絶賛の声も!! 魔術師不在で見えた新戦力ビジャと周囲のフィット感は?

2019年02月14日 飯間 健

ビジャが初瀬に語った“狙い”とは?

13日の練習試合・光州FC戦で移籍後初ゴールを決めたビジャ。果たして、22日の開幕戦ではさらにチームへのフィットが進んでいるだろうか。写真:徳原隆元

 今季も大型補強を敢行した神戸は2月13日、光州(韓国2部)と沖縄キャンプ総仕上げの練習試合を行なった。練習試合3試合目にして、元スペイン代表FWダビド・ビジャが直接FKで移籍後初得点。4-1の勝利を収めた。

 もっとも開幕前の結果がそのままシーズンに持ち込まれるわけはない。ここで重要なのは内容。特に「周りの選手と擦り合わせをしていくこと。自分のコンディションを整えていくこと。そのためには練習試合は大事になる」と口にしていたビジャと、日本人選手との連係面だ。この試合ではコンディションを考慮されたと見られる元スペイン代表MFのアンドレス・イニエスタが欠場したが、ほぼベストメンバーが出場。スペイン代表やバルセロナでのチームメイトで"あうんの呼吸"で分かり合える「魔術師」がいないことは、逆にビジャと他の選手との融合を窺う上で大きな物差しとなった。
 
 結論から言えば、もう少し時間が掛かる。

 沖縄キャンプ2日目の11日、今季加入したDF初瀬亮は「『ボールに寄ってきた時でもオレが狙っているのは、まずは裏(のスペース)だから』と言われています」と、ビジャが狙いとするところを明かしてくれた。一方、MF郷家友太は「ボールを持った時に抜群の動き出しをしてくれている」と絶賛。その言葉通り、センターフォワードに入ったビジャは最終ラインと駆け引きしながら何度も飛び出す動きを見せていた。ただタイミングがひとつ遅れてオフサイドになってしまったり、パスが相手DFに引っ掛かるシーンも見て取れた。

 クロスの上げ方に関しても、まだ試行錯誤しているようだった。初瀬は「自分からビジャにはクロスを入れる時のゴール前の入り方」を要求していると話していたが、基本的にはビジャはGKの前に飛び込むのではなく、ファーサイドでタイミングを図っていることが多かった。
 
 ただ、34分には元日本代表DF西大伍のクロスから強烈なヘディングシュートを放ったように(光州GKの好セーブに阻まれたが)、瞬間的なポジション取りは"さすが"の一言。「ゴール前の人数が揃っていなければ、無理にクロスは上げなくて良い」というポリシーを持っているフアン・マヌエル・リージョ監督の戦術下、得点確率の低いクロスは少ないだろう。とはいえ、ピンポイントですべてを合わせるのは困難なだけにニアサイドの"潰れ役"になる選手は欲しいところだ。

 米国ツアーから始まった長期のキャンプは13日で終了。ここからは練習試合の予定がなく、15日からは地元・神戸で調整を続けていくことになる。リーグ開幕・C大阪戦まで残り1週間強。新戦力ビジャが盟友イニエスタ以外とのコンビネーションをどこまで確立できるかが重要になる。

取材・文●飯間 健
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