森保ジャパンは大丈夫!? ブレーメンが大迫勇也のコパ・アメリカ参加を認めず! 貸出し拒否を異例の早期発表

2019年02月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

ブレーメンSDは「代表は短絡的にしか考えていない」と本音

森保ジャパンにとって絶対的な存在ともいえる大迫。そんなエースの代表招集にブレーメンが異例の声明を発表した。 (C) Getty Images

 19年ぶりにコパ・アメリカに参戦する森保ジャパンに緊急事態が発生した。

 現地時間2月12日、ブンデスリーガのブレーメンは、所属する日本代表FW大迫勇也について、今年6月に開幕するコパ・アメリカには参加させない方針を発表したのだ。

 大迫は先月行なわれたアジアカップで4試合に出場し、チーム最多の4ゴールを記録。日本代表の決勝進出に大きく貢献していた。

 大会終了後にクラブに帰還した大迫は、今月9日に行なわれたブンデスリーガ第21節アウクスブルク戦の当日、背中の腱に問題を抱えていることが判明して欠場。これに関して、ブレーメンのフロリアン・コーフェルト監督は、日本サッカー協会(JFA)に向けて苦言を呈していた。

「ユウヤが日本代表としてアジアカップに出場している間、怪我をしたことは聞いていた。だが、『大したことではない』と言われ、『すべては順調だ』と聞いていたんだ。初戦でプレーした後、彼は準決勝、決勝に出場していた。

 それで何事も起こらず、健康体で我々の元に戻ってくると思っていた。だから、彼がプレーできない状態であることに、少し驚いた。だが、代表チームで怪我をしたのではないことは事実なのだろう」

 コーフェルト監督はJFAとの対立は望まないとしていたが、ブレーメンは12日にクラブの公式サイトで、この件に関する声明を掲載。「ユウヤ・オオサコの負傷に関して戸惑いを覚えている」と銘打った文章の中で、フランク・バウマンSD(スポーツディレクター)は次のように語っている。

「ユウヤがアジアカップの準決勝や決勝に出場することは可能で、その試合では負傷が悪化しなかったにも関わらず、合流後我々の下ではプレーできない状態になっていることには、かなりの戸惑いを覚えている。もちろん、この現状には満足することはできない。

 彼がブレーメンに移籍してから、昨夏にはワールドカップ、そして冬にはアジアカップに出場したため、2度の準備と回復期間をまったく利用することができなかった」
 
 そしてブレーメンは同声明において、負傷とは関係なく大迫のコパ・アメリカへの出場を許可しない意向を明らかにした。

「この件について、日本サッカー協会へは既に伝えている。もちろん、ユウヤは自分の代表チームの助けになりたいと考えているが、我々は日本代表において最も大事な選手の1人が燃え尽きてしまわないよう、気を配らなければいけない」

 アジアカップやコパ・アメリカなどの大陸選手権の場合、選手を招集する際の拘束力は1年で1大会のみと国際サッカー連盟(FIFA)の規定で決められている。そのため、アジアカップに招集された海外組を今夏のコパ・アメリカで再招集するには、クラブの理解と協力を得る必要があるが、大迫の招集は現時点で叶いそうもない。

 バウマンSDは、ドイツ誌『Kicker』でもこの問題について語っており、「協会の立場も理解できる。だが、これは彼らへの批判でもある。代表チームでは物事を短期的にしか考えない。我々は選手の給料を支払い、長期的に考えなくてはいけない」と本音を吐露した。

 エースの大迫を欠くことは、森保ジャパンにとって大きな痛手となるが、はたして、この問題はどのように進展していくのか。引き続き注目していく必要性がありそうだ。
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