【プレミアの知られざるリーダー③】テリーの正統後継者にしてハイブリット型の新リーダー|アスピリクエタ

2019年02月09日 内藤秀明

「ロッカールームの空気を変えられる存在」

レジェンドの背中を見て育ったチェルシーの新リーダーがこのアスピリクエタだ。(C)Getty Images

 ディディ・ドログバ、フランク・ランパード、そしてジョン・テリー。気まぐれなロシア人オーナーの下、監督や方向性がコロコロ変わるなか、チェルシーが大崩れせずに安定した成績を残せてきたのは、彼らのような多様なリーダーたちがチームを支えてきたからだ。そんなレジェンドたちの背中を見て育ったのが、セサル・アスピリクエタである。

「彼らから多くのことを学んだ。チェルシーのため、ファンのために、どのように振舞い、プレーすべきなのかをね」

 事実上の戦力外に近い状態にある主将のガリー・ケイヒルに代わり、今シーズンは実質的なキャプテンとしてアームバンドも巻いている。
 
「ロッカールームの空気を変えられる存在だ」

 そう明かすのは、23歳のMFルベン・ロフタス=チークである。

 アスピリクエタのリーダーとしての資質は、周囲を鼓舞できる熱さだけではない。特筆に値するのは、その頭脳だ。アントニオ・コンテ政権時代、右ウイングバックのポジションで新境地を切り開いたヴィクター・モーゼスは、「彼が後方からポジショニングに関して的確な指示を送ってくれるから、プレーしやすい」と、小柄なリーダーの貢献を語っている。

 テリーのような闘争心に加え、インテリジェンスも兼ね備えたハイブリット型の新リーダー。そんな表現がぴったりだ。

文・編集●内藤秀明(サッカーライター)&プレミアパブ編集部
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年2月7日号より転載
 
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