「クリバリは嘘つきの小さな人間」 インテルのウルトラス、人種差別行為を真っ向から否定

2019年02月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

無観客試合の処分を受け入れたクラブも非難。

インテルのサポーターは、クリバリへの人種差別行為を否定した。(C)Getty Images

 インテルのウルトラスは2月3日のボローニャ戦で、久しぶりに"根城"である本拠地サン・シーロのクルヴァ・ノルド(北側ゴール裏2階席)に戻ってきた。ナポリDFカリドゥ・クリバリに対する人種差別行為で、クルヴァ閉鎖の処分を科されていたからだ。

 12月26日のナポリ戦で退場したクリバリに、人種差別チャントを浴びせていたとして、インテルは2試合の無観客試合処分を科された。さらに1試合多く閉鎖を命じられたクルヴァは、ボローニャ戦で1か月以上ぶりに開放されたかたちだ。
 
 だが、そのボローニャ戦で、インテルのウルトラスは反省するどころか、クリバリを非難する声明を出した。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ウルトラスは「人種差別なんてまったく関係ない」と、差別行為を否定している。

「俺たちは自分たちの選手を応援するためにスタジアムに行く。ケイタ・バルデ・ディアオのような黒人だろうが、ダニーロ・ダンブロージオのような南部出身者だろうが、サミール・ハンダノビッチのようなスロベニア人だろうが、ラウタロ・マルティネスのようなアルゼンチン人だろうが関係ない」

「俺たちにとってクリバリは、やましいからと嘘に走るような、ただの小さな人間でしかない。あいつが白人だろうが、黄色人種だろうが、俺たちは同じように振る舞っていただろう」

「サン・シーロがクリバリにブーイングしたのは、(判定への抗議として主審に皮肉の拍手をするという)受け入れがたい行為をしたからだ」

 さらにウルトラスは、「だが我々が驚いたのは、すでにチケットを購入した試合を観戦する可能性を拒み、言いなりになって処分を受け入れたクラブだ」と、インテルに対しても怒りをぶつけた。

 人種差別を巡る騒動が尽きないイタリア。インテル・ウルトラスの声明は、国におけるこの問題の根深さを感じさせる。
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