【鳥栖】元バルサの経歴は伊達ではない!クエンカが練習試合の2得点で示した能力の片鱗

2019年02月03日 林 遼平

異なるパターンの2ゴールにクエンカも手応え十分!

4-3-3の左ウイングでプレーしたクエンカ。調整段階だが、今後の活躍が楽しみになる出来だったのは確かだ。写真:滝川敏之

 さっそく今季新加入のスペイン人アタッカーが能力の片鱗を垣間見せた。

 沖縄県の読谷村でキャンプを行なう鳥栖は2月2日、J2の東京Ⅴとトレーニングマッチを45分×2本で実施。押し気味に試合を進める中でセットプレーから失点を喫する難しい展開となったが、後半にイサック・クエンカがふたつのゴールを奪って逆転勝利を収めた。

 この試合の主役は、かつてスペイン1部リーグのバルセロナに籍を置いたクエンカだ。4-3-3の左ウイングで先発したクエンカは序盤から高い位置をキープし、ボールを受けては積極的な仕掛けを披露。縦に突っかけるというよりもカットインから中央に侵入していく回数が多く、空けたスペースをSBが活用するなど左サイドの攻撃を活性化させた。

 この日、ひとつ目のハイライトは2本目の18分だ。相手のミスから左サイドのクエンカにパスが入ると、切れ味鋭いカットインからミドルシュート。これはGKの好セーブに阻まれたが、すぐさまポジションを中央に位置取り、クロスボールの折り返しを左足で押し込んだ。
 
 1点目が得点への嗅覚を披露したプレーならば、2点目は抜け目のない前線からの守備が光った。最終ラインで窮屈なパス回しを見せる相手に対し、CBが受けた瞬間にプレッシングを敢行。高い位置でボールを奪取すると、そのまま冷静にゴール右に流し込んだ。
 
 また狭い局面を打開するドリブルや巧みなポジショニングで同胞のフェルナンド・トーレスとのコンビネーションを見せるなど、攻守にポジティブな面を見せたクエンカ。60分という限られた時間で、違いを作り出せる選手ということをプレーで示して見せた。
 
 クエンカ自身も「やっぱりゴールというものは良い。より数を増やしていければいいし、こういった状態を続けていけたら」と今回の2得点を評価。「適応の部分でも日に日に良くなっているのが分かる。それが良くなっているからこそ、ピッチの上で結果につながっていると感じる」と一定の手応えを得ている。

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