アジアを制したのに政権交代!? カタール代表監督が直面しているシビアな現実|アジア杯

2019年02月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

協会強化サイドはやはり大物指揮官の招聘を

選手たちに胴上げされるサンチェス監督。チームにはユース年代から手塩にかけて育ててきた主力も多く、厚い信頼関係で結ばれている。(C)AFC

 初のアジアカップ制覇に沸くカタールだが、代表チームを率いるフェリックス・サンチェス監督は心中穏やかではないかもしれない。

 卓越した戦術とスカウティング力を駆使し、ときに攻撃的に、ときに守備的に振る舞いながら、複数の帰化選手が集結する多国籍軍を躍進へと導いた。43歳のスペイン人指揮官の手腕は高く評価されており、3年後の自国開催ワールドカップに向けて、チームは確かな歩みを続けている。

 サンチェス監督は、かつてバルセロナの下部組織で実績を重ねた育成のスペシャリスト。8年前にカタール政府とカタール・サッカー協会がバルサ・メソッドに倣おうと、代表強化推進のために立ち上げたのが「スペイン化計画」だ。ユース年代の改革を一手に担ったのがこのサンチェス監督で、まさに牽引車となってプロジェクトを進めてきた。

 だが、そんな功労者の監督しての力量に対して、カタール協会は懐疑的な目を向けているという。世界的ネットワーク『Fox Sports』アジア版が報じているのは、近未来の政権交代の可能性。背景にあるのはこんな理由だ。

「7試合で19得点を奪い、失点は決勝の日本戦で喫した1点のみ。カタールは圧巻のパフォーマンスを示して、頂点に到達した。にも関わらず、サンチェス監督は3年後のカタール・ワールドカップで代表チームを率いていないかもしれない。は世界の強豪国と渡り合うために、(カタール・サッカー協会の)強化サイドが大物監督を招聘すべしと考えているからだ」

 
 指揮官自身は決勝後の会見で、「自分は2022年ワールドカップの代表監督に適任だと思いますか?」と問われ、こう答えている。

「カタール代表監督として仕事をすることに誇りを持っているし、今日我々はカタールの歴史に残る偉業を成し遂げたと思う。わたしがいま考えているのは『いま』であり、わたし自身、選手、そして国にとって素晴らしい日だ。これからもハードワークを続ける。カタール協会とともに仕事をしてきているし、協会会長をはじめフルサポートを得ているので、2022年へ向けてなんら心配もしていない。もちろん、サッカーの世界なので2週間後にどうなっているかは不明だが、いまは将来のことを考えるより、この勝利を喜びたい」

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