【カタール戦|戦評】欠けていた対応力と柔軟性。ゲームを左右した“魔の27分間”|アジア杯

2019年02月02日 本田健介(サッカーダイジェスト)

5バックを敷いてきたカタールに対応できず

決勝でカタールに敗れた日本。試合序盤は選手たちが戸惑う姿が見られた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[アジアカップ・決勝]日本 1-3 カタール/2月1日/ザイード・スポーツシティ・スタジアム
 
 森保ジャパンのUAEでの冒険は非常に悔しい形で終わった。
 
 カタールとの決勝は1-3で敗戦。12分に相手のエース、アルモエズ・アリにオーバーヘッドで先制ゴールを許すと、27分にはアブデル・アジズ・ハティムに見事なコントロールショットで追加点を奪われる。69分には南野が今大会初ゴールとなる追撃弾を決めるも、83分には吉田麻也がエリア内でのハンドをVARで判定され、PKで痛い3失点目を喫した。
 
「前からプレスをかけてやっていこうと言っていましたが、なかなかハマらなかったですね。それで相手には僕らのボランチの脇のところにボールを入れられて、攻められるという状況でした」と長友佑都は試合序盤の戦いを振り返る。
 
 カタールは今大会、4バックと5バックを併用しており、日本は相手がどちらのシステムで臨んできたとしても、対応できるようスカウティングは進めていたという。
 
 
 しかし「2トップが後ろ3枚を見ていたので、それだと絶対にハマらない。そうじゃなくて、(サイドハーフの原口)元気と(堂安)律がウイング(バック)に付くのではなくて、CB(5バックの中央の3枚)を牽制するでも良かったんですが、FWを助けないとああいう感じになってしまいますよね。見ていて分かっていましたが、なかなか外から指示が出せませんでした」と、戦況をベンチで見守った乾貴士が語ったように、日本はサイドでは数的有利を作った一方で、中央では数的不利な状況が多く、カタールの攻撃を凌ぎ切れなかった。
 
 その点では大迫勇也も「相手が4バックか5バックか、どちらで来るか分からない状況でしたが、自分たちが後手を踏んでしまったのは事実です。そこは反省しなくてはいけません。サイドが数的有利な状況だった一方、真ん中で人数が足りない状況が起こってしまいました。修正ができたのは0-2になってからだったので、遅かったと思います。経験のある選手が試合のなかで変えるべきでしたし、申し訳ない気持ちはあります」と敗戦の要因を分析し、悔しさを露わにした。
 
 

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