夏に日本一も冬は県予選敗退…。山梨学院から甲府入りした快足FW、宮崎純真が高校選抜に懸ける理由

2019年01月28日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「選手権で負けたことは自分の力を確認する機会になった」(宮崎)

1トップとして大きな期待を懸けられている宮崎。高校選抜で自信を深めれば、甲府で飛躍するきっかけにもなるはずだ。(C)SOCCER DIGEST

 1月24日から静岡県内で行なわれた高校選抜の候補合宿。冬の高校サッカー選手権で活躍した選手が招集されたなかで、未出場組からも5名がアピールの場を与えられた。そのうちのひとりが山梨学院から甲府入りした宮崎純真(3年)だ。

 宮崎はスピードを生かした裏抜けを得意とする点取り屋。夏のインターハイでは6試合で5得点を記録した。とりわけ、強烈なインパクトを残したのが桐光学園との決勝だ。0-1で迎えた後半アディショナルタイムに起死回生の同点弾、さらに延長後半には左サイドから高速クロスを入れてオウンゴールを誘発。2点に絡む大活躍で自身の名を全国に轟かせた。「就職活動の場」として夏の全国舞台に挑んでいた男は、大会終了後に甲府の練習に参加。そこでもアピールに成功し、自らの足でプロ入りの権利を勝ち取るなど充実の夏を過ごした。

 順風満帆な高校ラストイヤーを送り、残すは年末の選手権のみ。宮崎は再び全国での大暴れを期していた。だが、最後の冬はあっけなく終わりを迎える。帝京三との県大会準決勝で待っていたのは、延長戦の末に1-2で敗れる結末だった。

「インターハイで優勝してからプレッシャーがあり、なかでも夏冬連覇という重圧があった。インターハイで上手くいきすぎたので、プリンスリーグでも勝てなくなった。勝てないとチーム状況も悪くなる。そこから立て直そうとしたけどダメだった」

 当時を回想し、唇を噛んだ宮崎。ただ、この挫折は多くの気づきを与える。「周りを巧く使い切れず、自分でも打開できなくて、自分がひとりで点を取って勝たせられる存在ではなかったと選手権で思い知った」と明かし、「インターハイで優勝して自信を付けたけど、選手権で負けたことは自分の力を確認する機会になった」と力不足を痛感した。

 そうした状況で巡ってきた高校選抜入りのチャンス。合宿最終日の27日に行なった山梨学院大のトレーニングマッチでは4-3-3の1トップとして1本目に出場し、確かな存在感を見せた。

 直前まで甲府のキャンプに参加していた影響でコンディションこそ万全ではなかったが、持ち前のスピードを生かしたプレーで攻撃を活性化。得点は奪えなかったが、プロの舞台で勝負する選手としての面目を保つパフォーマンスを見せた。
 

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