吉田麻也が代弁した日本代表戦士たちの悲壮なる想い「リスクを負ってここに来ている」|アジア杯

2019年01月28日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「決勝のつもりで戦わなくてはいけない」

イラン戦の会場となるハッザ・ビン・ザイード・スタジアムで最終調整をした日本。吉田は意気込みを語った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 アジアカップの準決勝に進出した日本代表は1月28日、アル・アインのハッザ・ビン・ザイード・スタジアムでイランとの一戦を迎える。
 
 勝てば2011年のカタール大会以来の決勝進出となるが、相手はここまでの5試合で12得点・0失点と圧倒的な強さを見せてきた強敵だ。
 
 今大会最大の山場と言っても良い一戦を前にキャプテンの吉田麻也は、チームメイトの想いを代弁するかのように、並々ならぬ決意を口にした。
 
「明日は決勝のつもりで戦わなくてはいけません。ヨーロッパの選手もJリーグの選手も自分のキャリアにリスクを負ってここに来ているわけで、Jリーグではトレーニングキャンプが始まっていますし、僕らもシーズンが続いているなかで出場しています。ここで負けてしまったら、予選で負けたことと変わりはないと思っています。だから明日、しっかり勝って決勝に進みたいです」
 
 
 今大会は24か国が出場し、ゲーム数が増えたことで、昨年末の国内合宿からアジカップの準備を進めてきた選手たちの負担は増加。過去2大会に出場した長友佑都も、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦後に「長いなというのが正直なところです。サウジとの苦しい試合を乗り越えてやっとベスト8かと。まだ優勝まで長い道のりです」と吐露したように、中3日ないし中2日で試合をこなし、疲労は溜まっているはずだ。
 
 大会が終わり、所属チームに戻れば、次は過酷なシーズンが待っている。それだけに各々に期する想いがあるのだろう。それでも日本代表としてプレーできる誇りを胸に選手たちは戦ってきた。
 
 決勝進出、そして8年ぶりの優勝を果たせばその苦労は報われる。「90分で決着がつかない可能性もありますし、総力戦で臨みたい」と吉田が話したイラン戦は、そのための最大の難関となるだろう。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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