「声がうるさい」「バスで隣には座りたくない」躍進ウルブスのリーダーは仲間にイジられる熱血漢

2019年01月24日 内藤秀明

リバプール・サポーターの家庭で育った生粋のスカウサー

躍進ウルブスを陰ながら支えているのがキャプテンマークを巻く熱血漢、このコーディだ。 (C)Getty Images

 今シーズンのプレミアリーグで「強豪キラー」として恐れられているのが、昇格組のウォルバーハンプトンだ。15節にチェルシーを2-1、20節にはトッテナムを3-1で下し、ここまでいわゆるビッグ6を相手に2勝3分け3敗と健闘している。

 この躍進を語る上で欠かせないのが、キャプテンの存在だ。その男は経験豊富なポルトガル代表のジョアン・モウチーニョでも、ルイ・パトリシオでもない。8位につけるチームで腕章を巻くのはコナー・コーディ、25歳のイングランド人DFだ。

 リバプールで生まれ、リバプール・サポーターの家庭で育ったコーディは生粋のスカウサー(リバプールっ子)で、ジェイミー・キャラガーやスティーブン・ジェラードといった偉大な選手の背中を見てアカデミーの階段を上っていった。ただ、トップチームでの出場は1試合のみ。その後、シェフィールド・ユナイテッド、ハダースフィールドを経て2015年夏にウルブス(ウォルバーハンプトンの愛称)に加入した。

 ウルブズ入団から1年後、コーディはプレシーズンマッチですでにキャプテンマークを巻いていた。

「味方を鼓舞するのも私の重要な仕事。ウルブズのようなクラブをまとめる立場にいられることは、とても光栄なことだ」

 そう語るコーディは、根っからのリーダー気質。実際、約10人のチームメイトに行なった「いちばん監督に向いている選手は?」というアンケートでは、ほぼ全員がコーディを指名している。

 リーダーとして信頼されている一方、複数のチームメイトから「彼のコーチングはうるさすぎる」とイジられる一面も。FWディオゴ・ジョタに至っては「そもそも声がうるさいから、移動のバスでも隣には座りたくない」と散々な言われようだ。もちろん、信頼関係があるからこそのやりとりに他ならない。

 ひとたび仲間がゴールを決めれば、最後尾にいようがゴールスコアラーのもとに一目散に駆け寄り、飛び込み、だれよりも大きなガッツポーズで喜びを表現する。そんな愛され熱血キャラクター、コーディの支えを抜きにしてウルブスの躍進は語れない。

文・編集●内藤秀明(サッカーライター)&プレミアパブ編集部
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