【欧州移籍市場】今夏の主役はマンU 史上空前!総額260億円の超大型補強は何をもたらすか

2014年09月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

開幕からの大不振が後押ししたのも間違いない。

期限最終日にモナコから加入したファルカオ。1年間のレンタル料が600万ポンドと高額だが、「断れない話だった」とファン・ハール監督は語る。 (C) Getty Images

 欧州主要リーグの移籍市場が9月1日でクローズした。2014年夏のマーケットでもっともアクティブに補強を展開した「主役」は、マンチェスター・ユナイテッドだった。

【写真でまとめ】14年夏の移籍をチェック!

 獲得した新戦力は6人で、支払った移籍金の総額は1億5150万ポンド(約257億7550万円)に上る(下記に詳細)。大型補強に踏み切った背景には、昨シーズンの体たらくがある。7位に沈み、チャンピオンズ・リーグの出場権(4位以内)にも手が届かなかった低迷からの復活を期してのチーム強化だ。
 
 もっとも、これが計画的な強化策かと言えば、そうとも言い切れない。プレミアリーグは3試合で2分け1敗、リーグカップでは2回戦で3部のMKドンズに完敗(0-4)した開幕からの大不振が、クラブ史上最大規模のテコ入れを後押ししたのも間違いない。
 
 事実、マルコス・ロホ、アンヘル・ディ・マリア、ダレイ・ブリント、ラダメル・ファルカオは、シーズンがスタートしてから獲得した新戦力だ。この4人に合わせて9550万ポンド(約162億3500万円)を注ぎ込み、そのうちディ・マリアには英国史上最高額となる5970万ポンド(約101億円)を費やした。焦りに駆られての乱獲だと、そんな批判も聞かれる。
 
 なかでも議論を引き起こしたのが、移籍期限最終日にモナコとの交渉をまとめたファルカオの獲得だ。1年間のレンタル契約とはいえ、レンタル料は600万ポンド(約10億2000万円)と決して安くはない買い物だった。そもそも、前線にはロビン・ファン・ペルシ、ウェイン・ルーニーという二枚看板が揃う。ファルカオは世界最高峰の点取り屋だが、本当に必要不可欠な戦力だったのか。
 
 むしろ補強が必要だったのは守備陣だ。攻撃陣に偏った人材のバランスの悪さを嘆いていたのは、他でもないファン・ハール監督自身だ。ともに複数のポジションをこなすロホとブリントを陣容に加えたとはいえ、中盤を含めた守備陣は質・量ともに物足りなさが否めない。
 
 260億円相当という史上空前の超大型補強は、果たしてマンチェスター・Uに何をもたらすのか、注目だ。
 
【マンチェスター・Uの今夏の新戦力と移籍金】
アンヘル・ディ・マリア(MF/←R・マドリー)|5970万ポンド(約101億円)
アンデル・エレーラ(MF/←A・ビルバオ)|2900万ポンド(約49億3000万円)
ルーク・ショー(DF/←サウサンプトン)|2700万ポンド(約45億9000万円)
マルコス・ロホ(DF/←スポルティング)|1600万ポンド(約27億2000万円)
ダレイ・ブリント(DF/←アヤックス)|1380万ポンド(約23億4600万円)
ラダメル・ファルカオ(FW/←モナコ)|※600万ポンド(約10億2000万円)※=レンタル料
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