【選手権】突然の主将交代、涙の二人ミーティング… 青森山田を支えた守護神とエースの物語

2019年01月15日 森田将義

檀崎の負担を「少しでも軽くしたい」。キャプテンに任命された飯田はすぐに動いた

飯田(左)と檀崎(右)がスタンドに向かってガッツポーズ。揃ってキャプテンマークを付けている、そのワケは…。写真:田中研治

[高校選手権・決勝]青森山田3-1流経大柏/1月14日/埼玉
 
 青森山田の優勝の背景には、選手権の直前に断行されたキャプテン交代があった。プレミアリーグの優勝争いに絡みながらも、16節から2試合は白星が奪えず。黒田剛監督は、12月に入ってから、「一回チームをぶち壊して再構築することで、彼らのモチベーションを上げたかった」とキャプテンをMF壇崎竜孔(3年)からGK飯田雅浩(3年)に代えることを決断した。
 
 指揮官自ら「荒治療」と振り返る決断だったが、黒田監督は飯田に対して「キャプテンシーと責任感がある子。チームに対して厳しく物が言える」という評価をしており、キャプテン交代によってチームが好転すると信じていた。重責を担うことになった飯田はすぐに動く。
 
 キャプテンに任命された直後、「ちょっと話がある」と壇崎に声をかけて二人だけのミーティングを実施。突然のキャプテン交代に驚きを隠せない壇崎に対し、「壇崎はキャプテンで、10番でエースストライカー。重圧との戦いだったと思うので、少しでも軽くしたい。キャプテンを自分がやることで重圧を半分、持ってあげる」と声をかけた。

 飯田は、当時をこう振り返る。
「あの時の壇崎は泣いていました。自分がチームをまとめてきた気持ちもあったと思う。悔しさと同時に重圧がなくなったからこその涙だったと思います」
 

次ページ試合後に見られた二人の信頼関係が窺い知れる場面

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