【C大阪】“遅咲きのエース候補”都倉賢に求められるゴール以外の役回り

2019年01月14日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「もちろんゴールを取ることが仕事ですけど、それ以外にも」

年々進化を続ける都倉は、知る人ぞ知る苦労人。30歳を過ぎて受けたオファーに「ワクワクした」という。写真:山脇美紀

 北海道コンサドーレ札幌からセレッソ大阪に完全移籍した都倉賢が1月14日、新加入記者会見に臨んだ。
 
「まだ若干このピンクのユニホームは似合っていないと思いますけど、みなさんにとっても僕にとってもこの色が違和感のないくらい活躍して、シーズンが終わった頃にはピンクが似合う男になりたいと思います」
 
 着慣れないピンクのユニホームをまとった都倉は、開口一番そう決意を語った。
 
 都倉は、知る人ぞ知る苦労人だ。2005年に川崎U-18からトップチームに昇格するも、3シーズンの間公式戦では無得点。2008年のシーズン途中に移籍したザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)では加入2年目にJ2で得点ランク2位の23ゴールを奪い一躍名を挙げたが、その勢いは長く続かなかった。
 
 翌年に神戸に籍を移してからは4年間で14得点と納得のいく結果を残せず。ようやく芽が出たのが、2014年に札幌に移ってからだ。J2で3年連続二桁得点を記録し、とりわけ2016年には19ゴールを挙げ、チームのJ2制覇に大きく貢献。不動のエースとして活躍し、コンサドーレの顔となった。

 再びJ1の舞台に帰ってきた都倉は、2017年に9得点すると、昨季はそれを上回る12得点と、たしかな成長の跡を残した。その向上心は衰えを知らず、今年33歳となる今なお、進化を続けているのだ。
 
「タイトルを獲るために来ましたし、そういう強い気持ちを持ってプレーしたい。僕自身は、『20点獲りたい』と言った昨年は12点だった。ちょっと多めに言わないと取れないのかもしれないので、20点以上取れるように今年も頑張っていきたいと思います」
 
 そう言って会場の笑いを誘った都倉に、新天地のC大阪で求められるのも当然ゴールである。特に杉本健勇が抜けた穴を埋める活躍が期待される。一方で、それ以外にも重要な役回りがある。
 
「FWなので、もちろんゴールを取ることが仕事ですけど、それ以外にも前線からの守備など諦めない泥臭いプレーを見せたい。チーム全員を背中で引っ張っていけたらなと思っています」

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