波に乗れない森保ジャパン…ウズベク戦では"空気"の入れ替えが不可欠だ|アジア杯

2019年01月14日 佐藤俊

勝ち進めば、控え組の力が必要となる試合が出てくる

アジアカップを制するためには、ラッキーボーイの出現は不可欠。オマーン戦に途中出場した伊東らの奮起に期待がかかる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 オマーン戦はラッキーなPKで1点をもらい、僅差での勝利。これでウズベキスタンと勝点6で並び、グループリーグを突破。次は首位通過をかけて17日にウズベキスタンと戦うことになる。そこで勝てば首位通過となり、中3日でカタールかサウジアラビア、負けると2位通過でオーストラリア、シリア、パレスチナのいずれかとベスト16の試合が待っている。
 
 ここまでトルクメニスタン戦、オマーン戦と2試合続けて主力組がプレーし、結果を出してきた。だが、さすがに次戦も主力組を起用して、ベスト16に臨むというのは選手の疲労やコンディションを考慮すると難しい。また、今のなんとなく波に乗り切れていない空気を打破するために、次戦は控え組の起用が必要になるだろう。
 
 どんな大会もそうだが、勝ち進めば、控え組の力が必要となる試合が出てくる。
 
 ロシアW杯のポーランド戦では、主力選手を休ませて結果的に敗れはしたが、最低限の仕事をこなしてベスト16進出を決めた。ロンドン五輪の時も3戦目のホンジュラス戦は前のモロッコ戦から5人のメンバーを入れ替え、ドローになりながらもベスト8入りを決めている。

 逆に前回のアジアカップではザッケローニ監督はグループリーグ3試合すべて本田圭佑、香川真司ら主力で通し、決勝トーナメント1回戦でUAEにPK戦で敗れている。仮に勝ち上がっていても休養なしでは主力選手に相当の負荷がかかり、その後の苦戦は免れなかっただろう。
 
 大会になれば当然、主力組、控え組と分けられていく。控え組の選手は「チームの勝利のために」と頭では理解しているが、それでも試合に出場できないので少なからずストレスを抱えることになる。日々の練習で発散できる部分もあるが、試合に出ていないと整えられない部分があるし、自分のコンディションが落ちていく不安も抱えてベンチに座っている。
 
 そうした控え組の起用は、もちろん主力選手たちのレストが一番になるが、監督目線で言えばチームの勝利を求めながら控え組のコンディションを上げ、決勝トーナメントで戦える選手を見極めるという大事な仕事でもあるのだ。
 
 控え組が試合に出場すれば、選手にどういう変化が表れてくるのだろうか。

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