【選手権】「郁万には負けたくない」 青森山田の超大型CB・三國は関川を封じて6年間の集大成を飾れるか

2019年01月13日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

準決勝のPK失敗から気持ちを切り替え、三國は大一番での活躍を期す

192センチの三國(写真)は関川との直接対決に闘志を燃やす。制空権を掴み、チームを勝利に導けるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 1月13日、青森山田は14日の決勝に向け、東京都内で前日練習を行なった。12日の準決勝で尚志と激闘を繰り広げたイレブンは軽めのトレーニングを実施。ストレッチ、ランニング、戦術確認などで汗を流し、流経大柏との大一番に向けて最後の調整に励んだ。

 終始和やかな雰囲気で進んだ高校生活最後の練習。福岡入団内定の192センチの大型CB三國ケネディエブス(3年)も前日のPK戦で失敗したショックを引きずらず、リラックスした表情で仲間たちとボールを蹴っていた。

「昨日のPKを外して、負けてしまうかと思ったけどGKの飯田(雅浩)に救われた。決勝では自分が、チームを助けたい気持ちが強い」(三國)

 三國は尚志戦で3失点を喫した守備陣を立て直し、仲間のために貢献したいと決意を示した。
 
 そうした想いで臨む流経大柏戦。三國にとっては高校生活のみならず、青森で過ごした6年間の集大成となる。東京から越境し、グリーンのキッドを中学1年生から身に纏ってきた。檀崎竜孔(3年)らとは中学時代から共闘しており、そうした仲間たちと同じピッチに立てるのも明日が最後。「選手権に憧れて山田に入ったので、決勝に来た以上は優勝して終わりたい。明日は死に物狂いで戦いたい」と、三國は有終の美を飾るために全力を尽くすとした。

 とはいえ、高校年代トップクラスの戦力を揃える流経大柏に勝つ作業は、一筋縄ではいかない。自分たちも空中戦に自信を持っている一方で、相手も鹿島入団内定の怪物CB関川郁万(3年)を擁している。三國がセットプレーで対峙するであろう関川をいかに抑えられるかが、勝負の行方を大きく左右するはずだ。

 ミッションは関川封じ―ー。本人も自身の役割を十分に理解している。特別に意識しているわけではないとしつつも、「郁万はタイミングの取り方が上手くて、ジャンプ力もある。前に強いタイプで自分とは違うヘディングの強さを持っている」と気を引き締めた。
 
 明日の大一番で三國は最高の結果を掴めるのか。「決勝ではゴールを決めたい。意識はしていないですけど、同じセンターバックとして郁万は得点を自分より取っているので、負けたくない」と決意を表明した三國は、並々ならぬ覚悟で高校生活を締めくくる一戦に挑む。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
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