岡崎慎司にハダースフィールドからの正式オファーも拒否! レスターはなぜ放出しないのか?

2019年01月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

シビアな経営方針が理由に?

厳しいシーズンを送っている岡崎にはいくつかのオファーも舞い込んでいるようだが、レスターはそれを拒み続けている。一体なぜなのか? (C) Getty Images

 プレミアリーグで奮闘を続けてきた日本人ストライカーの去就が熱を帯びている。

 現地時間1月10日、英衛星放送『Sky Sports』をはじめとする複数メディアが一斉に報じたのは、レスターに所属する岡崎慎司にハダースフィールドから正式な獲得オファーが舞い込んだというニュースだ。

 オファーを出したハダースフィールドは、プレミアリーグ第22節終了時で最下位に沈んでおり、リーグ最少の13ゴールしか挙げられていない得点力不足が明確な課題となっている。とりわけアタッカー陣は、FW登録で得点を挙げているのがステーブ・ムニエだけと深刻な状況が続いている。

 そうした状況を改善すべくハダースフィールドは岡崎に白羽の矢を立てたわけだ。今月5日に行なわれたFAカップ3回戦のブリストル戦後、デイビッド・ワグナー監督は、「この冬にFWを獲得できるかは分からない。みなさんご存じのように我々の予算は潤沢ではないから」とコメント。それでも経験豊富な日本代表FWは喉から手が出るほど欲しい存在で、岡崎も移籍には前向きと見られていた。

 レスター移籍後4年目を迎えた今シーズンは、足首負傷によって出遅れたことに加え、チームがクロード・ピュエル監督の下、ポゼッションサッカーを志向するなかで、ケレチ・イヘアナチョやデマライ・グレイ、ジェームズ・マディソンら若手の台頭も影響し、プレミアリーグでの先発出場が1試合のみ(途中出場は12試合)と序列が低下している。

 さらに今年6月にレスターとの契約が満了する岡崎自身も、昨年12月に地元紙『Leicester Mercury』で、「レスターを家族のように愛しているけど、欧州で新しい挑戦がしたい。残るか、出ていくか分からないが、欧州に残りたい」と語っていた。

 一連の状況を加味すれば、岡崎のハダースフィールド移籍に弊害はないように思うが、『Sky Sports』によれば、レスターはオファーを拒否したという。

 一体なぜ、レスターは、ベンチウォーマーと化している岡崎の放出を拒んだのか? それは、レスターが移籍金の額にシビアな目を持っているからだ。これまでも彼らは、希望額とかけ離れたオファーをことごとく跳ね返してきた。

 2014年の夏、当時のクラブレコードとなる移籍金で獲得したアルゼンチン人FWレオナルド・ウジョアの場合もそう。入団3年目にはほぼ余剰戦力となったが、それでもレスターは安易には放出せず、設定した違約金が満額支払われた場合のみ交渉に応じる形を選択。結局、ウジョアはブライトンへのレンタル移籍などを経て、契約満了となった昨夏にメキシコのパチューカへ移籍した。

 今シーズンは出番が少ないアンディ・キングやダニー・シンプソン、そして岡崎をレスターが放出しないのは、市場価値に見合ったオファーが届いていないからだろう。とりわけ岡崎に関しては、クローザ―として役割で小さくない貢献をしている。一見すると厳しいようにも思えるが、ビッグクラブのように資金面に余裕のない中堅クラブなりのビジネス・スタイルとも言える。

 今後、レスターが満足するようなオファーは岡崎に舞い込むのか? いずれにしても、32歳のベテランFWにとってキャリアの岐路ともなる冬になりそうだ。
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