【選手権】大会前は絶不調!! それでも本田監督が絶対に外せなかった流経大柏2年生ボランチは何が凄いのか?

2019年01月05日 安藤隆人

選手権予選でようやく定位置を掴むも、その後のプレミアリーグで急激にレベルが上がり…

前半立ち上がりの6分に流経大柏の八木が先制点。こぼれ球にいち早く反応してゴールネットを揺らした。写真:田中研治

[高校選手権・準々決勝]秋田商0-1流経大柏/1月5日/フクアリ
 
 1年生と2年生のボランチコンビが、今のチームに安定感をもたらしている。流経大柏の1年生・藤井海和と2年生・八木滉史は、初戦の徳島市立戦から不動のボランチコンビとして、攻守をつなぐ役割を担っている。
 
 攻撃的な八木に対し、守備的な藤井。2人の噛み合わせもそうだが、今年1年間を通じてCBとボランチで主軸を張り続けた藤井に対し、八木は『遅れて来た選手』だった。
 
 プレミアリーグEAST・3節の青森山田戦で初のベンチ入りを果たすが、出番はなし。7節の柏レイソルU-18戦で初スタメンを掴んだが、選手権予選前の15節まで、スタメン出場は柏戦を含めてわずか3試合。ベンチ外もあり、レギュラーに定着できずにいた。
 
「僕はずっと守備ができない選手だった。1年の時からボランチをやらせてもらっているのですが、ずっと(本田裕一郎)監督から『もっとボールを奪うということを意識しろ』と言われていて、そこを意識的に取り組むようになってから、徐々に出番が増え始めた。ボールを狙い通り奪えた時は、自分の頭の中でイメージ通りに攻撃に移行することができるようになった。そのまま良い形で攻撃につなげられることで、持っている攻撃力が逆に生かせるようになりました」
 
 元々、運動量豊富で戦術眼に長けた選手だっただけに、守備意識と技術が向上したことで、持っている力をさらに発揮できるようになり、選手権予選ではレギュラーの座を確保。市立船橋との決勝では、「かなり良かった」と本田監督が絶賛するほどの出来で、2−0の勝利に貢献した。
 
 だが、直後のプレミアEAST・16節の柏U-18戦でスタメン出場をするが、プレーに精彩を欠いてしまう。
「県予選が終わってプレミアに切り替わった時に、一気にレベルが上がるので、県予選では通用していた部分が通用しなくなって、そこでちょっと身体が上手く合わなかった」
 
 端から見ていても、「これはレギュラーから外されるのではないか」と心配するほど精彩を欠いていたが、本田監督は彼をレギュラーから外さなかった。
 
「確かにレイソル戦が全然ダメで、(外すことも)少し頭に浮かびましたが、残りのプレミアの試合や、選手権前に複数の練習試合をこなしたなかで、起用し続けてデータを取ってみたら、やっぱり八木の替わりはいないと思ったんです。試合のトータルを見ると、運動量、ボールを獲る回数など、八木と藤井のダブルボランチのペアが一番良かった。確かにパフォーマンスは落ちていたけど、やっぱり八木を代えることが怖かった」
 

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