【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|新たな挑戦へ…まずは弟カズとのトレーニングから

2019年01月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

監督をしていたらできなかったことをやろうと思っていた矢先に…

今年52歳を迎える弟のカズとともに自主トレ。ランニング、体幹トレーニングに汗を流した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 新年明けましておめでとうございます。
 
 年賀状をコラムやSNSで済ますのは余り良いことではないが、便利になった世の中。きっと年賀状を書く人も減ったことであろう。
 
 年賀状を工夫して元旦までに、しっかり自筆で一言入れて郵便ポストに出す。年末をそんな時間に費やしていたが、そうした人もきっと減ってはいるのではないか…?

 そういうことを思うなかで、毎年毎年、年の暮れはバタバタと新年は気持ち新たにと年を越し、この2019年がスタートされる。
 
 僕は2011年にギラヴァンツ北九州で監督業をスタートさせてから、2018年に鹿児島ユナイティッドFCを昇格させるまで8年間。毎年、訪れるシーズンへの期待と不安に対し、しっかりした身体と心を準備させ、チームの目標、選手の成長に少しでも近づけるための年を越してきたが、今年は闘えるチームがなく。
 
 また監督をやっていると、なかなかやることのできないことをやっていこうと、心新たに望むチャレンジの年になりそうである。
 
 53歳という年齢は自分にとってはまたまだ働き盛りな元気な年だと思っているが、周りからみれば「ヤスも53か~」と思われているだろうし、新しいトライと言ってもなかなか難しいのではないか? と思われるかもしれないが自分自身、やらなければいけない使命感とやりたいと思うことへの手探りな状態で出発した。そんな年末年始ではあった。
 
 鹿児島を離れ、東京に拠点を戻し、サッカーに携わっていく人間として積極的な活動をやっていければと思っている。
 
 もちろん「監督」という仕事は僕にとって天職であり、チームを躍進へ導くとともに、選手がよりプロとしてサッカー道を追求したくなるための指導者として、サッカーへの貢献と役割を捨てた訳ではないが、監督だけは自分がなりたくてもなれるものではない。
 
 必要とされる日まで、今をしっかり必死に過ごした先に、その日が来ることを信じていたいと思う。
 
 まずは監督8年間でできなかったことからやっていこうと思った矢先の12月30日、偶然にも弟カズとの連絡でタイミングが合い、近所の公園を2人で走り、体幹トレーニングをし、一緒に汗を流した。
 
 何年ぶりだろう。2人の住む場所の近くにある公園を軽くジョック。そこからカズのメニューに合わせて体幹トレーニング。秒数を決めて丁寧にセット数を消化していく。
 
 僕は監督として厳しいメニューを選手に要求していくタイプであり、何セットかも公表しないで(伝えないで)やるのが当たり前だっただけに、カズに何セットやるかも聞けない(笑)。
 
 オマケに53歳で現役を退いてから20年。それを考えればカズのメニューを全てこなすのは「スーパー」だ。
 
 僕の現役時代にはない体幹ポーズをレクチャーされながら、「もう少し平行に」とか「態勢を真っ直ぐに」とか言われながら、カズの厳しい体幹トレーニングに耐えた。監督として厳しさを要求することが正しいと実感したものだ。
 
 何とかカズのメニューを全てこなした。自分ではやらないことを言われればやれる。人間とはそんな弱い生き物なんであろう。そんなことを思いながら、「明日は身体全体が筋肉痛~」と叫ぶであろうと予測はついていた。
 
 監督でいるとできないことをやりたい。いきなりカズとランニング。心がホッと頬が緩んでしまう出来事であった。

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