【選手権】青森山田で唯一の“2年生レギュラー”武田英寿。「魅惑のレフティ」の名前の由来、手本にしている選手は?

2019年01月04日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

参考にしているのはユベントスのアルゼンチン代表FW

大津との大一番で先制点をアシストした武田。精度の高い左足のキックが武器だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・3回戦]青森山田 3-0 大津/1月3日/等々力
 
 3回戦で難敵の大津を破り、2年ぶりの全国制覇に一歩前進した青森山田。MF檀崎竜孔(3年)とCB三國ケネディエブス(3年)を中心に、攻守に隙が無いタレント軍団の中で、唯一2年生で定位置を確保しているのがMF武田英寿だ。
 
 この試合でも草津東との初戦と同様1.5列目に入り、いわゆるセカンドトップとして積極的にボールに絡んで攻撃にアクセントをつけた。
 
 前半19分には「イメージ通りだった」という精度の高い左足のキックで、FKから佐々木銀士のヘッド弾をアシスト。先制点をお膳立てしてもいる。
 
 下級生とは思えない堂々たるプレーを見せたレフティは、「2年生で出させてもらっていることには責任を感じる」と言いつつも、「ピッチに立てば、学年は関係ないので」と強気に語った。
 
 青森山田中の出身。「リクさん(檀崎)やケネディさん(三國)、二階堂(正哉)さんなど、中学時代から一緒にやっている先輩もいる。優勝して送り出したい」と3年生への想いは強い。

「英寿」の名は、両親が好きだったという元日本代表MFの中田英寿にあやかってつけられた。武田が生まれた2001年9月といえば、ローマでスクデット獲得に貢献した中田がパルマへ移籍した頃だ。
      
 与えられた背番号も中田の代名詞である「7番」で、身長(176センチ)もちょうど同じぐらい。グリーンのユニホームでピッチを駆ける姿は、韮崎高校時代の中田と重なるものがある。さすがに現役時代のプレーをリアルタイムでは観ていないが、動画などでチェックしたことはあるという。
 
 ただ、手本にしているのは左利きの選手だ。同じくセカンドトップタイプのアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラ(ユベントス)のプレーを、よく参考にしている。
 
 草津東戦では、MFバスケス・バイロン(3年)の折り返しから利き足ではない右足でゴールを奪うなど、チャンスメークだけでなくフィニッシュでも貢献できるのが特長だ。
 
「魅惑のレフティ」が、その名に負けない輝きを放っている。
 
取材・文●江國森(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
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