【選手権】青森山田、6発大勝の立役者バスケス・バイロンが目指す「いわき経由海外行き」と「チリ代表」

2019年01月03日 竹中玲央奈

チリ国籍・日本育ちのアタッカーが躍動

初戦で自らのゴールを含む4得点に絡んだバスケス。青森山田をさらなる高みに導けるか。写真:早草紀子

[高校選手権・2回戦]青森山田6-0草津東/1月2日/三ツ沢
 
 福岡内定・三國ケネディエブス(3年)や札幌内定・檀崎竜孔(3年)ら実力者を揃え、2年ぶりの王座を狙う青森山田が、昨年の初戦と同一カードとなった草津東戦で6発の大勝を収めた。
 
「前半の硬さを後半に取り戻したというところ」と黒田剛監督が語るように、リズムをうまく作れなかったなか、右サイドからチャンスを創出し、自らのゴールを含む4得点を演出したのが11番のバスケス・バイロン(3年)だ。
 
 13分、GKから最終ラインを経由して丁寧に前進していく草津東のビルドアップを右サイドの網にかけて奪うと、バスケスはゴール前の佐々木銀士(3年)へ縦パスを入れる。この落としをボランチの天笠泰輝(3年)が左足一閃。鋭いシュートがネットに吸い込まれた。そして37分には右サイドを独力で突破し、ラインを割るかと思われたところをスライディングで足を伸ばし右足で中央へ。これをフリーの武田英寿(2年)が合わせリードを広げた。セットプレーから2つの追加点を決めた後の68分には、バスケスの鋭い左足のシュートのこぼれを途中出場の小松慧(3年)が押し込み4点目をゲット。そして最大のハイライトは74分、交代直前のラストプレー。
 
 右サイドからドリブルで中央に仕掛け、2人のDFの間をダブルタッチですり抜けると、左足で強烈なシュートを放ちニアを抜いた。6点を記録した選手が全て異なるという結果になったが、圧巻の存在感を見せつけたのはバスケスで間違いない。
 
「自分の中で楽しんで臨もうというところがあって。そこで硬くなりすぎず、と。相手も引いてきていて仕掛けるところは早く仕掛けて、と。自分がヒーローになるというのは捨てて、チームのためにという気持ちでやった結果が、最後に自分の得点につながったのかなと思います」
 
 謙虚に語る日本育ちのチリ人サイドアタッカーは卒業後、いわきFCでプレーすることが内定しているが、十二分に戦力となることをこの試合で証明した。
 

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