【選手権】長崎総科大附の6人が試合前日に丸刈り!! 先導役の湘南内定・鈴木冬一がその想いを激白!

2019年01月03日 森田将義

「選手権はお祭りみたいなもの。こういう楽しみがあってもいいのかな」

丸刈りを提案したというキャプテンの鈴木。来季の湘南入団が内定している。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・2回戦]長崎総科大附1-0浜松開誠館/1月2日/NACK
 
 長崎総科大附のスタメンに並んだ綺麗な坊主頭は4人。「俺がやらせたと思われるから、やめてくれよって言ったんです。(坊主頭を)楽しんでいるんですよ、アイツらは。(彼らが)悪いことをしたわけではないんです」と小嶺忠敏監督が苦笑いしたように、いずれの選手も前日に自らがバリカンを手に取り、丸めたものだ。先導役となったのはJ1湘南に内定しているMF鈴木冬一(3年)だ。
 
 鈴木が頭を丸めたのには訳がある。「メンタルがマジでやばかったです」と振り返るように、大会直前に38度2分まで発熱。翌日には熱が下がり、大事には至らなかったが、「不運がついていたので、全部刈り上げたかった」ため、遠征先に持ち込んだバリカンを手に取った。鈴木が頭を丸めるのを見たチームメイトも彼に便乗し、最終的には登録メンバーのうち、6人の髪の毛がなくなった。
                  
「選手権ってお祭りみたいなもの。僕自身は一生に一度しか経験できない舞台なので、楽しみたい。こういう楽しみがあってもいいのかなと」
 そう鈴木が説明するように、丸刈りは罰ゲームではなく、彼らなりの高校サッカーの楽しみ方だ。選手権予選の際は、メンバー全員が丸刈りにし、小嶺監督を驚かせたこともあるという。
 
 そうしたリラックスした状態が奏功したのか、この日の長崎総科大附には初戦の硬さなどは見られない。後方からのロングボールと、MF弓場堅真(3年)の鋭いドリブルで相手に押し込まれる場面もあったが、守備陣も落ち着いて対応。右サイドハーフに入った鈴木は前半こそボールに触る回数が少なかったが、MF千葉翼(2年)とポジションを入れ替え、FWに入った後半は攻撃の起点として機能する。
 
 すると、後半23分には相手ペナルティエリアの右でチャンスが訪れた。鈴木が放ったシュートはDFに阻まれたが、素早く奪い返し、DF古堅詩音(3年)にマイナスのパスを展開。古堅が上げたクロスを千葉が頭で叩き込んだ。このゴールが決勝点となり、長崎総科大附が1-0で勝利した。
 

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