名手メッシがPKを失敗する原因を地質学者が研究 「ミスの多いカンプ・ノウ北側ゴールの地盤は…」

2019年01月02日 山本美智子

「レオには粘土質の土が合う」

北側と南側で土の質が異なるというカンプ・ノウ。地質がメッシのPKに影響を与えている? (C)Getty Images

 バルセロナのリオネル・メッシがPKをミスする理由、それは深い古生代の土壌にあった…。そんな衝撃的なニュースを元旦の地元紙が伝えている。

 2015年、メッシはカンプ・ノウの北側ゴールでPKを10回外したが、南側では1回しか外さなかった。これには理由があるのか?

 この問いに答えているのが、バルサファンの地質学者で、カタルーニャ地質学学会のスポークスマンでもあるアルベルト・ベンタヨル氏だ。

 ベンタヨル氏の研究結果が掲載されたのは、地質学学会が出している専門雑誌、『Tierra & Tecnologia』(大地とテクノロジー)の52号。その中で同氏は、「カンプ・ノウの北側ゴールの地盤は、古生代の硬い岩、粘板岩、石灰岩からなっており、第四紀の堆積物で覆われている。一方、南側のゴールは、第四紀前の土壌であり、もっと最近の青みがかった粘土質でできている」と語っている。
 
 1955年から1957年の間に建設されたカンプ・ノウには、もともとデルタ川発祥の土地、ジョブレガットの三角地帯及びコイセロラ(いずれもカタルーニャの地名)の土壌が使われており、これはバルセロナ市の中でも、「地理学的に多大なる複雑さ」を持っているのだと、ベンタヨル氏は説明している。

 表面を平らにするために使われたこの土は、赤みがかった硬く厚みの少ないもので、それが南側ゴールの青みがかった粘土質と重なっていると解説するベンタヨル氏は、「レオには粘土質の土が合う」「カンプ・ノウは土まで、アスルグラナ(青とえんじ)なんだ」と冗談を交えて語っている。

 この情報は、カンプ・ノウを大規模改修する新プロジェクト「エスパイ・バルサ」(バルサ・スペース)にも取り込まれており、今後さらなる研究が進む可能性もあるようだ。

文●山本美智子(フリーランス)
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