【ラ・リーガ冬の通信簿|A・マドリー編】主砲の大スランプは誤算もリーグ唯一の1敗を維持

2019年01月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

後半戦に大きな可能性を感じさせる。

首位バルサを3ポイント差で追うA・マドリー。後半戦は得点力不足の克服が鍵となる。(C)Getty Images

【成績】
ラ・リーガ|2位/9勝7分け1敗/25得点・12失点
チャンピオンズ・リーグ|グループA2位通過/4勝1分け1敗/9得点・6失点
 
前半戦のチームパフォーマンス…70点
 
――◆―――◆――
 
 今夏に長年キャプテンを務めたガビが退団し、ディエゴ・ゴディン、フィリペ・ルイス、ファンフランといった同じくディエゴ・シメオネ監督のサッカーを支えてきた重鎮たちも、年齢による衰えが隠せなくなっている。
 
 一方で、ゲームメイクのセンスに秀でるロドリ、打開力に長けたトマ・ルマールの加入で、中盤から前線にかけての陣容は質・量ともにかつてない充実ぶりだ。しかし、シメオネはそうした陣容の変貌にも関わらず、例によって守備重視のスタイルを貫き続けている。
 
 自らイニシアチブを握るのではなく、「守備を固めてカウンター」が今なおチームの基本戦術だ。あくまでも従来のやり方に肉付けをする形で攻撃力を高めようとしている。
 
 ただ、前半戦は主砲ジエゴ・コスタの大スランプ――リーガではわずか1得点――が誤算となった。このスペイン代表FWが得点源として期待通りの働きをしていれば、ここまで取りこぼしも多くはならなかったはずだ。しかも故障のため3月まで長欠予定で、代役のニコラ・カリニッチは徐々にフィットしてきたとはいえ、本領を発揮しているとは言い難い。
 
 それでも、リーガでは唯一の1敗を維持し、チャンピオンズ・リーグでもグループステージ突破を難なく決められたのは、やはりシメオネ流の手堅さがベースにあるからだろう。
 
 ロドリとルマールに加え、今シーズンはスーパーサブ以上の働きを見せているアンヘル・コレア、年々成長を遂げているサウール・ニゲスとトーマス・パーテイら、攻守のバランス感覚に優れたタレントが少なくないだけに、後半戦は大きな可能性を感じさせる。前半戦は燻ったビトーロとジェウソン・マルチンスの両サイドアタッカーにも巻き返しの余地はあるだろう。
 
 ここまでは指揮官の青写真通り、と言えるかもしれない。
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