【選手権】東京V下部組織出身の「仙台のメッシ」が観衆をどよめかす

2019年01月01日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

ユースに上がれず東京から仙台へ。

[選手権1回戦]仙台育英4-2一条/12月31日/駒沢
 
 前半で怒涛の4ゴールを奪った仙台育英で、2得点を挙げた今野太勢(3年)以上に観衆の目を釘付けにしたのが、2トップの一角を担った三田大史(3年)だ。
 
 160センチ・52キロと30人の登録メンバーの中ではもっとも小柄ながら、スピードに乗った切れ味鋭いドリブルで、一条の守備網を再三に渡り突破。細かなフェイントで敵DFを手玉に取るプレーに、会場はどよめいた。
 
 前半36分には、タイミングよく敵DFラインの裏に抜け出すと、「目が合った」(三田)という左SB堀江凛太郎のパスを右足でトラップして、左足を一振り。冷静に4点目を奪ってみせた。
 
 東京ヴェルディの下部組織で5年間研鑽を積んだものの、当時は目立った存在ではなく、ユースには上がれなかった。「親元を離れて、寮生活をすることで成長できると思った」と仙台育英への進学を決意。「(東京Vを)見返したい」という気持ちは強い。
 
 その格好の舞台で小さくない存在感を発揮した小兵アタッカーは、リオネル・メッシのプレーを参考にしているという。三田は右利きのため利き足は違うが、小気味のいいドリブルで強気に仕掛けていく様は、アルゼンチン代表のスーパースターを彷彿とさせる。
 
 初戦突破にも浮かれる様子はまったくなく、「5点目を奪えなかったのが課題」と反省を口にした8番。その姿は誰よりも頼もしかった。
 
取材・文●江國森(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
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