優勝が目標のアジア杯で、酒井宏樹が警戒するのは「中東の環境とハプニング」

2018年12月31日 佐藤俊

中東勢は何をしてくるのか分からない恐さがある

不動の右SBとしてチームを支える酒井は、「欧州とか、Jリーグとかでは考えられないようなタイミングでシュートを打ってくる」と中東勢を警戒した。写真:徳原隆元

 12月30日、アジアカップに向けて日本代表の国内合宿が終了した。
 
 最終日は冷たい北風が吹く中、入場制限がかかるぐらいのファンでスタンドが埋まり、グラウンドの周辺もファンがぐるりと囲んでいた。そんななか、行なわれた流通経済大との35分×2本の練習試合は2-0で日本が勝利。
 
 まだシーズン中で動きの良い海外組とシーズンオフ中の国内組でとは動きを見てもかなり異なり、バラつきがあった。これから現地に入って急ピッチで仕上げていかないと、ちょっと苦労しそうな雰囲気が漂っていた。
 
 アジアカップの目標は、当然優勝である。
 酒井宏樹は、現地に入ってまずすべきことがあるという。
「中東でやるんで、中東のチームは気候や芝とかに慣れている。自分たちは、まず現地の気候とか環境に慣れて、相手にアドバンテージを渡さないようにしていないといけないですね」
 
 現地カタールは、日中は27℃程度、朝と夕方は若干冷えてくる。寒暖差が激しく、空気も乾燥している。ピッチも芝というよりは草だ。ロシアW杯の時もロシアの長い芝にボールが止まるなど当初、選手は苦労していたが、戦う前に環境に慣れるのは1か月間、戦い抜くには必要なことだ。
 

 次は、チーム対策になる。
 アジアカップは中東の国だけと戦うわけではないが、地の利、環境を味方につけた中東の国はほぼホームの感覚でプレーしてくる。日本に対しては打ち合うというよりも、ある程度、ボールを握らせておいて、どこかのタイミングでボールをひっかけてカウンターが中東の国の得意な戦い方であるし、そのキレ味は非常に鋭い。そのために前線には高さのある選手、スピードのある選手など特徴的な選手を置いている。
 
 酒井は、さらに何をしてくるのか分からないところに中東の国の恐さを感じるという。
 
「欧州とか、Jリーグとかでは考えられないようなタイミングでシュートを打ってくるし、そういうハプニング的なプレーが多いので、対応がなかなか難しい部分はあります。でも、相手の分析をして、プレーを頭の中に入れておけば試合中にも対応できると思います」
 
 アジアカップは、決勝まで全7試合、中3日程度で試合をこなしていくハードな日程になっている。当然レギュラーメンバーだけで勝ち抜くことは難しく、ターンオーバー制を敷くことも必要になる。グループリーグは幸いなことに初戦は力の落ちるトルクメニスタン、つづいてオマーン、力のあるウズベキスタンと続く。参加チームが増え、ポイントによっては3位まで決勝トーナメント進出が可能になるので、グループリーグ突破のハードルは低く、ターンオーバー制を敷くリスクは軽減されるだろう。
 

次ページしっかりとチーム作りをしていくことが、もうひとつの大きなテーマだ

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