【ラ・リーガ冬の通信簿|バルセロナ編】守備に不安を抱えながらも首位をキープ! メッシら攻撃陣は絶好調

2018年12月31日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ベティス戦で課題が浮き彫りに…。

4連勝で前半戦を終えたバルサ。このまま一気に抜け出すのか。(C)Getty Images

【成績】
ラ・リーガ|1位/11勝4分け2敗/48得点・19失点
チャンピオンズ・リーグ|グループB1位通過/4勝2分け2敗/14得点・5失点

前半戦のチームパフォーマンス…75点

――◆―――◆――

 長年に渡って中盤に君臨してきたアンドレス・イニエスタ、パワーと高さをもたらす存在だったパウリーニョが揃って退団。守備免除の特権を与えられたリオネル・メッシをどこで使うべきかという問題も含め、エルネスト・バルベルデ監督は就任1年目の昨シーズン以上に難しい攻守のバランス調整を求められた。

 結局、昨シーズンの4-4-2から定番の4-3-3へと回帰を図った。メッシに加え、ウスマンヌ・デンベレ、フィリッペ・コウチーニョと守備意識の低いアタッカーが揃えば当然、前からのプレスは弱まる。サミュエル・ウンティティの故障やジェラール・ピケの不調もさることながら、昨シーズンと比べて大幅に失点がかさみ、格下相手に勝ち切れない試合が続いたのはそのためだ。
 
 そこで抜擢されたのが、新戦力のアルトゥールだった。ボールを握れる選手を1枚増やし、中盤の支配力、構成力を高めることで守備の不安を軽減したのだ。10月3日に行なわれたチャンピオンズ・リーグのトッテナム戦で先発起用されると、シャビを彷彿とさせる見事なボールキープとパスワークを披露。一気に左インサイドハーフ定位置を掴んだ。

 ただ、そのアルトゥールにしてもまだつなぎ役をこなすのが精一杯で、イニエスタのように崩しやフィニッシュの局面での貢献度は決して高いとは言えない。

 結果的に、相手を圧倒する数年前までのような迫力は影を潜め、守備面でもカウンターからセルヒオ・ブスケッツが広範囲をカバーしきれずに、あるいはサイドからシンプルにクロスを入れられて、決定的なピンチを招く場面が依然として少なくない。守備が崩壊してホームで敗れた12節のベティス戦(3-4)は、そんなチームの課題が浮き彫りになった一戦だった。

 そんな中でも、14節から4連勝を飾り、2位アトレティコ・マドリーに3ポイントの差をつけての首位で前半戦を終えたのはさすがと言っていいだろう。とりわけ、調子がいよいよ上がってきたメッシが別格の働きを見せ、その4試合で6ゴール・5アシストと躍動。練習への遅刻を繰り返すデンベレもピッチ上では好調を維持しており、この攻撃陣に引っ張られ、後半戦は一気に抜け出す可能性もある。

※ワールドサッカーダイジェスト2019.01.03号より加筆・修正
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