南野らアジアカップ組は好調を維持、宮市は劇的復活!――海外日本人選手のシーズン前半戦総括[FW編]

2018年12月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

バイエルンに牙を剥いた“ヘディングモンスター”大迫

アジアカップに出場するFW陣は軒並みコンディション面に問題はない。出場機会が限定された武藤(右)も調子そのものは決して悪くない。 (C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップに沸いた2018年夏、欧州では新シーズンの幕が開け、各国で熱戦が繰り広げられてきた。そして南半球オーストラリアでは間もなく夏を迎えようという10月より、新たな戦いが始まっている。

 そこには、多くの日本人選手の姿がある。主力としての責任を胸に新たなシーズンを迎えた者、ネガティブな過去へのリベンジを誓った者、希望と不退転の決意を持って新天地に赴いた者……。

 そして激動の1年が終わろうとしている今、彼らの置かれた状況もまた、様々である。期待に応えてその信頼度をさらに高めた者、新チーム内で早くも地位を確立した者、厳しい現実に苦悩する者、そして現状に見切りをつけて新たな環境を求めるとされている者……。

 ここでは、年末年始も関係なく開催されているイングランド・プレミアリーグ、豪Aリーグを除けば、ほとんどのリーグが中断期間に入った今、国外で奮闘する「サムライ」たちの前半戦を振り返ってみよう。

――◇――◇――

◇岡崎慎司
レスター(イングランド)所属
国内リーグ:11試合(先発1)・1アシスト
リーグ杯:3試合(先発2)
リザーブリーグ:1試合(先発1)・1ゴール

 ピュエル監督の志向するポゼッション戦術がチーム内に浸透した今シーズンは、基本布陣が元来の4-4-2から4-2-3-1に完全に移行されたこともあり、出場機会が激減。21歳のマディソン、22歳のイヘアナチョら若手の後塵を拝している。「もう一度、ワールドカップに出たい」と語る32歳は、ヨーロッパでの新たな挑戦を仄めかしているが、チーム事情を考えれば、今冬の移籍市場での退団は難しいか。

◇武藤嘉紀
ニューカッスル(イングランド)所属
国内リーグ:11試合(先発4)・1ゴール
リーグ杯:1試合(先発1)

 10月6日のマンチェスター・U戦でゴールを挙げる特大のインパクトを残したものの、それ以外では途中出場が多かったこともあり、目に見える結果を残せていない。とはいえ、チームは攻撃のバリエーション不足を課題にしており、主砲ロンドンの相棒としての役割を担いつつ、持ち味のスピーディーな突破力を活かせるようになれば、チャンスはおのずと増えるはずだ。

◇大迫 勇也
ブレーメン(ドイツ)所属
国内リーグ:14試合(先発11)・3得点1アシスト
リーグ杯:1試合(先発1)・1得点

 空中戦で抜群の強さを誇り、「ヘディングモンスター」と称された新天地でのオフシーズン。開幕後は、エースのクルゼの自由な動きに合わせて様々な位置でプレーし、守備や下がった位置での展開やチャンスメイクが主な仕事となった。"モンスター"の本領を発揮したのは13節バイエルン戦。世界的名手のボアテング、ノイアーを手玉に取ったヘッド弾は、前半戦のハイライトシーンである。

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