「身を引く時だったかな」小笠原満男が語る引退の理由と現在の心境

2018年12月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ベンチ外がけっこう続いた時に、なんとなくそのへんから」

引退会見に臨んだ小笠原。21年間のプロ生活に終止符を打ったが、「まだまだサッカーをやりたい気持ちがあるのが正直な気持ち」と胸の内を明かした。写真:田中研治

 12月28日、21年間のプロ生活に終止符を打った鹿島のレジェンド、小笠原満男が引退会見を開いた。
 
 大きな決断に至ったのは、「今シーズン、1年を振り返ってみて、なかなか試合に出る機会が少なくなり、ピッチの上でチームを勝たせることができなくなってきたこと」が、最大の理由と明かす。
 
 迷いや葛藤はなかったという。
 
「自分はピッチに立って、勝ちたいっていう想いがすごく強くて、それができなくなったら、やめる時だって決めていたので。夏だったかな。ベンチ外がけっこう続いた時に、なんとなくそのへんから、今年で最後、っていうのは徐々に芽生えてきた」
 
 もっとも、選手として全力は尽くした。
 
「"その日"が来ないように、少しでも長く頑張るっていう気持ちでやってきた」
 
 その結果、「最後のほうは試合で使ってもらえる機会は増えた」。ただ、「正直それも、同じポジションの怪我であったり、出場停止だったりで自分が出たわけで。それだったら、若い選手、これからの選手が出るべきだと思った。自分の力で出られるのであれば、まだまだやりたい気持ちはあったけど。そういう立ち位置だってのは、自分の中でも受け入れなければいけないと思った」
 
 現在の心境については、「本当にサッカーが大好きだし、アントラーズが大好きだし、まだまだサッカーをやりたい気持ちがあるのが正直な気持ち」だが、自分が理想とする姿を見せられない以上、「身を引く時だったかな、という思い」で決断した。
 
 今後については、まだ何も決まっていないが、小笠原なりの考えはもちろんある。
 
「鹿島アントラーズにここまで育ててもらったので、恩返ししていきたい気持ちが強くなり、具体的なことはこれから話をさせていただこうと思うんですけど、アントラーズが強くあるために、もっともっと成長していくために、その力になれるようなものを、自分なりに見つけていきたい」
 
 これまで応援してくれたサポーターに対しては、「感謝の気持ちしかないです。良い時も悪い時も、鹿島アントラーズや自分を応援してくれて、本当にその声援のおかげでここまでやってこられましたし、感謝しています」とし、「これからも鹿島アントラーズを応援していってほしい」と語った。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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