【セルジオ越後】今年も若手の台頭が少なかったJリーグ。もっとハイレベルな競争を望みたいね

2018年12月27日 サッカーダイジェスト編集部

チームも選手も 競争力が乏しい現状は 改善が必要だ

今年のリーグMVPに選ばれた家長。32歳での初受賞となった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 先日、恒例のJリーグアウォーズが行なわれ、今年のMVPにはフロンターレの家長が選ばれた。リーグ連覇を果たしたチームで、常に質の高いパフォーマンスを見せ、いくつかの重要なゴールも奪った活躍ぶりは評価されるべきだったし、32歳での初受賞と、これまでの努力が実った点も喜ばしいことだ。素直におめでとうと伝えたいね。
 
 ただ、祝福ムードに水を差すようで申し訳ないが、今年のリーグ戦では、誰からも異論が出ないような、MVPに選ばれて当然と呼べる選手はいなかったように感じる。例えば昨年のMVPであるフロンターレの小林は得点王にも輝き、誰もが納得できる人選であった。しかし今年は最後まで誰が選ばれるか分からなかった。
 
 家長自身も「このような名誉ある賞を、6得点・7アシストという平々凡々の成績でもらって申し訳ないですが、光栄に思っています」と周囲の笑いを誘いながら、感想を語っていた。そうした意味では今年はインパクトに欠けたリーグ戦だったと言えるだろう。
 
 一方で一昨年は中村、昨年は小林とフロンターレは3年連続でMVPを輩出しており、これはリーグ初の快挙だという。最近のフロンターレの躍進ぶりを象徴した結果だ。

 もっともMVPやベストイレブンに選ばれた選手の平均年齢が上がっているのは非常に気になる。今年のベストイレブンには10代や20代前半の選手はおらず(大島僚太、チャナティップは25歳)、フレッシュさが足りなかった。
 
 38歳でベストイレブンに選ばれ、同賞の最年長記録を更新した中村は「38歳だけどまた記録を更新することで年齢は関係ないと証明できる」と話していたが、Jリーグの将来を考えるとやはり寂しい顔ぶれだ。
 

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