【選手権】昨冬8強入りの結果に奢りはなし。茨城の新鋭・明秀日立が一戦必勝で日本一を目指す

2018年12月27日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

昨年の経験者が多く残るチームは今季の戦いで県内3冠を達成!

12月24日のプリンスリーグ関東参入戦の横浜FCユース戦では守備陣が崩壊。それでも怪我人が戻ってくれば、十分に戦えると萬場監督は見ている。(C)SOCCER DIGEST

 12月30日に開幕する高校サッカー選手権で、虎視眈々と上位躍進を狙うチームは少なくないだろう。昨冬の選手権で初の8強進出を果たした茨城県代表の明秀日立も、そうしたチームのひとつだ。
 
 今年のチームは昨年の大会経験者が多く残る。個人技に秀でた10番の津村夢人(3年)、鋭い得点嗅覚で鳴らす作山雅紀が最前線に構え、中盤でゲームをコントロールする成島茉宏(3年)、主将を務める今大会屈指のCB高嶋修也(3年)が後方から的確にサポート。簡単に崩れない強さは持っている。

 実際に今年は県内で新人戦、インターハイ予選、選手権予選の3冠を達成。「真面目な選手が多い」と萬場努監督が称したチームは昨年の結果に浮足立たずに、春先から着実に結果を残してきた。5月に行なわれた関東大会(インターハイ前に行なわれる地域大会)は高嶋を負傷で欠き、県ベスト8で敗れているが、総合力は県内随一を誇る。
 
 とはいえ、茨城で無敵を誇ったチームも一歩外に出ると、目を惹く活躍はできていない。夏のインターハイでは3回戦で桐光学園に1-3で敗れ、ベスト16止まり。選手権開幕直前の12月22日と24日に行なわれたプリンスリーグ関東参入戦でも、群馬の共愛学園を5-1で下して1回戦を突破したが、決定戦では横浜FCユースに0-3の惨敗。怪我人を多く抱えていた点は十分に考慮できるが、個人技で優れる神奈川王者にまるで歯が立たなかった。とりわけ、この試合で目に付いたのが安定感を欠いた守備陣だ。
 
 負傷の影響で横浜FC戦の欠場を余儀なくされた高嶋は言う。「改善できるとは思うけど、守備がまだ安定していない。自分が早く復帰しないといけない」としつつ、「茉宏は中盤でどっしりと構えていてほしい。でも、怪我人の影響で最終ラインに下がったので、中盤が手薄になってしまった」と現状を分析。本大会までに復帰できるという本職のふたりが戻り、最終ラインで起用されていた成島が往来通りボランチの一角で中盤のフィルター役を担えれば、高嶋は十分に改善できると考えている。

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