緩さ一転、R・マドリーに押さえられた要所… 鹿島を呑み込んだ“各10分間”が物語る差

2018年12月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

開始3分のCK。昌子は「ここで取れないと嫌だなと思っていた」

ベイルがハットトリックとなるシュートをゴール右隅に突き刺す。後半立ち上がりの10分に一気に試合を決めた。(C) Getty Images

[クラブW杯準決勝]鹿島1-3レアル・マドリー/12月19日/ザイード・スポーツシティ・スタジアム

 試合の肝となる時間帯を、いかに過ごすか。史上初の3連覇を目指す"白い巨人"が放つ輝きがまばゆかったからこそ、その差は明確に浮かび出た。

 12月19日(日本時間同20日)にUAEのザイード・スポーツシティ・スタジアムで行われたクラブワールドカップ準決勝で、鹿島アントラーズはレアル・マドリーに1-3で敗れた。2016年大会決勝で延長戦の末に敗れた相手に再び苦杯。大岩剛監督は「"たられば"だが、試合開始のチャンスで決め切ることができれば違う展開になったと感じている。前半終了間際の失点は守備の油断から。自分たちで流れを手放してしまったと感じている」と総括した。

 序盤は緩かったレアルの出ばなをくじけなかった。2分にセルジーニョが持ち込んで放った左足シュートは、わずかに枠の外。3分の右CKは飛び込んだ昌子源、あるいは流れた先のファーで誰かが触れていればという展開だった。「ここで点を取れないと嫌だなと思っていた。相手は徐々に上がってきてチャンスは少なくなる、ここで絶対に取ると思っていた」と昌子。明らかに運動量の少ないルカ・モドリッチら、省エネモードにさえ映ったレアル。それなのに機先を制すことができなかったのは痛い。
 
 次は前半終了間際だ。それまでガレス・ベイルとマルセロでしか攻撃を形作れなかったレアルが牙をむく。ふたりの連係でゴール前を破られ、ベイルが左足ワンタッチで蹴り込んだ。ACLを含め、これまで無類の対応力を発揮してきた鹿島も、修正を施せないまま後半の立ち上がり10分間を迎えた。53分にDF陣の連係が乱れたところをベイルに突かれ、追加点を献上。55分にはセカンドボールを拾ったマルセロがため、左へ膨らみながらパスを受けたベイルが、強烈な悪魔の左足で三たび決めた。

「序盤はウチの方がチャンスがあったのに。前半最後の失点で相手を勢いづけてしまった。前半はゼロでいきたかったが、あそこから少し崩れてしまったというのはある」と振り返ったのは永木亮太だ。息つく暇もなく、一気に試合を決められた。
 

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