塩谷とカイオの元J戦士が躍動! アル・アインが南米王者リーベルを破る番狂わせを演じて決勝進出!!

2018年12月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

PK戦までもつれ込んだ大熱戦を制した!

値千金の同点ゴールを呼び込んだカイオを祝福する塩谷。この二人の元J戦士の活躍がなければ、アル・アインの番狂わせは起き得なかった。 (C) Getty Images

 現地時間12月18日、クラブワールドカップ準々決勝第1試合、アル・アインとリーベル・プレートの一戦がUAEのハッザ・ビンザイード・スタジアムで行なわれた。

 戦前、南米王者リーベルが優位という下馬評が大半を占めていたこの一戦は、開始早々に開催国王者が先制パンチをお見舞いする。

 3分、右からのCKをニアサイドで合わせたベリのシュートがそのまま背後に流れ、最後は相手GKアルマーニに当たってゴールに入ったのだ。

 しかし、奇しくもこの一点が南米王者を目覚めさせてしまう。

 失点後から一気にギアを上げたリーベルは波状攻撃を開始すると、11分にゴール前の混戦からボレが押し込んで同点ゴールを決めると、その5分後にはG・マルティネスからのスルーパスに反応してボックス内に走り込んだボレが冷静に流し込んで、あっという間に逆転に成功した。

 コロンビア人FWの連続ゴールで試合をひっくり返したリーベルは、その後も個の力を利したスピーディーな攻撃を展開して試合を掌握。一方のアル・アインは、先制点を生み出したセットプレーから反撃の糸口を探るも、相手のタイトな守りに要所を締められて苦戦を強いられた。

 2-1でリーベルがリードを保ったまま迎えた前半終了間際に物議を醸すシーンが起きる。

 アディショナルタイム2分、追いかけるアル・アインは、ベリがバイタルエリアで相手DFともつれた流れからゴール前に抜け出したエル・シャハトがゴールネットを揺らす。しかし、ここでVARが用いられ、得点前のベリがボールを受けた位置がオフサイド判定となって同点弾は幻となった。

 リーベルがリードして迎えた後半は、追い上げるアル・アインが再び牙を剥く。起点となったのは、元Jリーガーのホットラインだ。

 51分、敵陣の左サイドでボールを持った塩谷のスルーパスに抜け出したカイオが、そのままボックス内に侵入。最後はカットインから右足を振り抜き、値千金の同点ゴールをもぎ取ったのだ。

 開催国王者が粘り強さ見せ、振り出しに戻った試合は、55分にアルゼンチン代表MFのE・ペレス、56分にコロンビア代表FWのキンテーロと、実力者を矢継ぎ早に投入したリーベルのペースで進む。

 何とか勝ち越したい南米王者だったが、絶好機を逸する。69分にリーベルはPKを奪取するも、キッカーのG・マルティネスの渾身シュートはポストに直撃し、千載一遇のチャンスを逃した。

 その後、一進一退の攻防戦になるも、ラストパスの精彩を欠いてチャンスには結びつかず……。試合は、90分で決着がつかずに延長戦へ突入した。

 延長戦は開始直後から攻勢を強めるリーベルが主導権を握るも、ホームの大声援に後押しされるアル・アインも奮闘。結局、互いに一歩も譲らなかった攻防戦は、120分でも雌雄を決することができずに勝敗はPK戦に委ねられることになった。

 そのPK戦、両軍ともに4人目まで全員が成功。そして、5人目、先攻のアル・アインのY・モハメドが成功させた後、後攻のリーベルはE・ペレスが失敗。番狂わせはここに実現した。

 死闘の末に敗れたリーベルは12月22日に行なわれる3位決定戦に回ることが決定。一方、勝利したアル・アインは、同22日に鹿島アントラーズとレアル・マドリーの勝者との決勝戦へ、中東勢では初めて駒を進めた。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事