【移籍市場の舞台裏】バロテッリのリバプール移籍はこうしてまとまった

2014年08月22日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

代理人はA・マドリーにも打診したが、話は進まなかった。

アメリカ遠征でリバプール(写真右はDFサコ)と対戦した時の一コマ。一気に交渉がまとまり、バロテッリはリバプールのユニホームを着ることになった。 (C) Getty Images

 マリオ・バロテッリの代理人ミーノ・ライオラは、リバプールへの移籍というビッグディールをたった1日半で一気にまとめ上げる辣腕ぶりを見せつけた。
 
 8月20日夕方からスタートしたミランとリバプールの交渉は深夜に及び、翌21日の昼前には移籍金2000万ユーロ(約28億円)+ボーナスという条件での完全移籍で基本的な合意に到達。午後にはライオラがリバプールを訪れ、バロテッリの契約条件の詰めに入った。
 
 バロテッリは21日、ミラネッロ(ミランの練習施設)で「これがここで過ごす最後の日」とコメントし、練習後ロッカールームの私物を整理して、愛車フェラーリでトレーニングセンターを去った。22日にはリバプールを訪れてメディカルチェックを受けることになる。ライオラは、リバプールに話を持ちかける前に、アトレティコ・マドリーにも獲得を打診したが、こちらは話が進まなかったことも明らかになっている。
 
 ミランは21日午前の段階から、すでにバロテッリの後釜探しに着手している。
 
 第一候補はコロンビア代表でポルト所属のジャクソン・マルティネス。アドリアーノ・ガッリアーニ副会長が代理人と連絡を取り、ポルトを説得する方向で話が進んでいる。J・マルティネスは先頃ポルトとの契約を更新したばかりで、違約金は3000万-3300万ユーロ(約42億-46億2000万円)に設定されている。
 
 ミランにそれだけの予算はないが、今シーズンは獲得オプション付きレンタル(レンタル料400万ユーロ=約5億6000万円)で移籍し、1年後に完全移籍、移籍金の2000万-2200万ユーロ(約28億-30億8000万円)は3年分割払いという条件でハードルをクリアしようとの考えのようだ。
 
 ポルトにとっては、移籍期限まで残り10日間で後釜を見つけなければならなくなるため、簡単に受け入れられる条件ではないだろうが、ミランは何とか獲得を実現したいと強く望んでおり、すでにポルトにもコンタクトした模様だ。
 
 実現できない場合のオプションとしては、マンチェスター・ユナイテッドのハビエル・エルナンデス、チェルシーのフェルナンド・トーレス、トッテナムのロベルト・ソルダード、ウディネーゼのルイス・ムリエルなどの名前が挙がっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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