元ウルグアイ代表FWが42歳で世界記録を更新! 通算の所属クラブ数が驚きの「28」に到達!

2018年12月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

2010年W杯準々決勝での“パネンカ”が有名

42歳になったアブレウの新天地は、ブラジル4部のクラブに決まった。今後どれだけ記録を伸ばすのだろうか。(C)Getty Images

 まだまだ現役続行のようだ。元ウルグアイ代表の"世界記録保持者"セバスティアン・アブレウである。

 10月17日に42歳となった左利きのストライカーは、チリ3部リーグのマガジャネスに所属していたが、半年間の契約が今月末で終了。いよいよ引退が現実味を帯びるなか、次なるアクションが大いに注目されていたが、ブラジル4部リーグのクラブが獲得に名乗りを上げた。その名はリオ・ブランコだ。これでアブレウがプロキャリアで所属したクラブの総数は「28」に到達し、自身が持つ世界記録を更新することとなった。

 ウルグアイ・サッカー史にその名を残す点取り屋だ。名門ディフェンソールの下部組織で才能を育まれ、1995年に18歳でプロデビューを飾ると、以降はまさに渡り鳥と呼ぶに相応しい人生を歩む。サン・ロレンソ(アルゼンチン)、デポルティーボ(スペイン)、ナシオナル(ウルグアイ)、モンテレイ(メキシコ)、リーベル・プレート(アルゼンチン)、レアル・ソシエダ(スペイン)、ベイタル・エルサレム(イスラエル)など、文字通り世界を股にかけて活躍。そして2017年12月、チリのアウダックス・イタリアーノへの入団が決まり、これが26個目の所属クラブとなる。それまでドイツ人のGKルッツ・ファネンスティール(現在44歳ですでに現役を引退)が持っていた世界記録「25」を抜き、晴れてギネス認定されたのだ。

 
 エル・ロコ(スペイン語で"変わり者"の意)で親しまれるアブレウは、ウルグアイ代表での実績もピカイチだ。国際Aマッチ出場は70試合を数え、26得点(同国歴代7位)を挙げている。ワールドカップは2002年日韓大会と10年南アフリカ大会に出場。コパ・アメリカは3度エントリーし、2011年大会では南米制覇に貢献している。

 なかでもサッカーファンにとって印象深いのは、10年ワールドカップの準々決勝ガーナ戦でのパフォーマンスだろう。延長戦でも勝負が付かなかった激闘はPK戦に突入。決めればウルグアイのベスト4進出が決まる5番手キッカーを担当したのがアブレウだった。なんとその途轍もない重圧がかかる局面で、パネンカ(チップキックで決めるPK)を繰り出して、母国を勝利に導いたのである。

 今回の移籍決定を受けてアブレウは、「(リオ・ブランコの)会長はどうかしちゃったんじゃないかな」と自虐的にジョークを飛ばし、「兎にも角にも期待に応えたい。良い準備をして州選手権(アクレ州)では是非とも優勝したいね。4月にハッピーエンディングを迎えよう!」と熱く語った。一方、クラブのルシアーノ・メンドンサ会長は「素晴らしい選手を獲得できた。我がクラブだけでなく州全体も活気づくだろう」と喜びを表現している。

 契約は2019年1月1日からで、アブレウは翌2日にチームに合流。2月上旬開幕の州選手権に備える。

次ページアブレウの全所属クラブを総覧。23年間で11か国・28クラブ!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事