アジア杯のメンバーにサプライズはあるのか? "大迫欠乏症"に手を打ちたいなら鎌田大地を呼ぶべきだ

2018年12月12日 清水英斗

ドリブルで運んだり、スルーパスを出したりと、豊富な攻撃パターンを生み出せる

リーグ戦12試合で10得点と結果を出す鎌田は試したい人材だ。(C)Getty Images

 12日午後に発表される、アジアカップの日本代表リスト。招集メンバーにサプライズはあるのか? それを予想する上で、重要なキーワードは『セカンドセット』だ。
 
 前線のファーストセット、大迫勇也、南野拓実、中島翔哉、堂安律の4人は、すでに充分なファンタジーを見せている。ファンをわくわくさせる森保ジャパンの、原動力と言ってもいい。しかし、それだけに課題に挙がるのが、彼らをベンチに下げたときの落差だ。11月のベネズエラ戦とキルギス戦では、攻撃のオプションとなるべきセカンドセットのパフォーマンスに、不安が残った。
 
 特に大迫は、替えが利かない。それも森保ジャパン云々ではなく、もう長らく、ずっとだ。この半端ない男のボールを収める能力、前線に起点を作るポストプレーは、他に並ぶFWが見当たらない。皆無だ。それほど図抜けている。
 
 だが、大迫の影を追い続けることに、意味はないだろう。むしろ、そんなふうに比較をされたら、新しく招集された選手が苦しむだけ。キルギス戦後に放送されたレビュー番組『スカサカ!ライブ.net』では、元日本代表DFの岩政大樹氏が、「大迫と同じことを求めるのではなく、新たな特徴を持った組み合わせを探すほうがいい」といった旨の発言をした。私もそれに同意だ。
 

 そこで第一にプッシュしたいのが、鎌田大地である。今季フランクフルトからベルギーのシント=トロイデンへ移籍した司令塔MFは、リーグ戦12試合で10得点。コンスタントにゴールを挙げ、チームに貢献してきた。
 
 目下絶好調の彼をアジアカップへ招集することに、異論のある人は少ないだろう。だが、私が鎌田を推す理由は、結果だけではない。最近の日本代表が悩む、大迫欠乏症を治すプレーヤーとしても、期待が持てるからだ。
 
 キープ力に長けた鎌田は、タメを作り、攻撃の起点になる選手。たくさんボールを預ければ、大迫のようにボールが落ち着く場所を作ってくれるだろう。ただし、ポジションは大迫とは異なり、トップ下だ。最前線で相手DFを背負うよりも、トップ下のスペースでプレーさせたい。半身や前向きでボールを持たせれば、広い視野を持っているため、ドリブルで運んだり、スルーパスを出したりと、豊富な攻撃パターンを生み出せる。

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