【仙台】指揮官も認める“今最もゴールに向かえて、調子に乗っている男”が初タイトルの鍵を握る!

2018年12月06日 小林健志

3戦連発! ジャーメインが初の天皇杯決勝へ導く!!

準決勝の山形戦で1得点・2アシストの活躍を見せたジャーメイン。決勝でもキーマンのひとりになりそうだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 仙台を初の天皇杯決勝の舞台へ導く活躍を見せたのは、期待の大卒ルーキーだった。

 天皇杯準決勝、仙台-山形の「みちのくダービー」は、FWジャーメイン良の4回戦・横浜戦、準々決勝・磐田戦に続く3戦連続ゴールで幕を開けた。13分に仙台FW、石原直樹がゴールを決めたかに見えたが、オフサイドの判定で取り消しとなり、場内が騒然となるなか、ジャーメインは「直さん(石原)のゴールが取り消された時、普段だったら落ちてしまう場面かもしれませんが、僕個人としてもチームとしても、(集中を)切らさないで次のゴールを狙おうという姿勢を持てたのが良かったです」と平静さを保っていた。
 
 そして14分、MF中野嘉大が左サイドで縦突破を仕掛け、クロスボールを上げた。「嘉くん(中野)がボールを上げてくれる時『マイナスに上げてくれ』と思っていたらその通りマイナスのボールが来て、ちょっと後ろに下がって左足を振り抜きました」というジャーメインの左足ボレーは見事にゴールネットを揺らした。

 なおもジャーメインは不安定な山形ディフェンスラインの背後を再三にわたり突いていき、次々と大仕事をやってのける。18分にはDF板倉滉からの縦パスを最前線で受けて後方のMF矢島慎也へと供給。矢島のゴールをアシストした。今までのジャーメインではなかなか見られなかったポストプレーだった。さらに36分には矢島のコーナーキックをファーサイドで打点の高いヘディングで折り返し、DF平岡康裕のゴールをアシスト。1ゴール・2アシストの大活躍で、仙台の天皇杯決勝進出に大きく貢献した。

 渡邉晋監督もジャーメインの成長を讃えた。
「今のチームの中で一番ゴールに向かえますよね。元々スピードもありますし、それをシンプルに周りも活かそうというような狙いが合致してくると、ジャメ(ジャーメイン)の良さも出るのかなと思います」

 積極的にゴールへ向かっていくジャーメインはこの1年で周囲の信頼を勝ち取り、ボールもどんどん集まってくるようになっていた。
 

次ページプレーの幅が大きく広がり、結果を残すFWへ進化を遂げつつある

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