「カタール大会は史上最高のW杯になる」と語るシャビ、古巣バルサでの指導者デビューについては「時期尚早」

2018年12月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

引退後はカタールで指導者の第一歩を踏み出す?

カタールW杯について自信を覗かせたシャビ。開催時期は冬に決定しており、シャビいわく「運動するにはちょうどいいくらい」とのこと。 (C) Getty Images

 バルセロナのOBである元スペイン代表MFシャビ。現在カタールのアル・サッドに所属する彼が、英紙『The Guardian』のインタビューに応じ、4年後に控えたカタールでのワールドカップについて持論を展開している。

 2015年までスペインのバルセロナでプレーしたシャビは、同年夏に移籍したカタールのアル・サッドでプレーしながら、2022年のカタール・ワールドカップ組織委員会のグローバルアンバサダーも務めている。また、開催国強化に向けたエリート育成プロジェクト「アスパイア・アカデミー」にも、アドバイザーという立場で関わっている。

 来年1月に39歳になる大ベテランでありながら、700万ポンド(約10億1500万円)という高額な年俸を手にしているのは、おそらく、そうしたピッチ外の活動にも従事しているからなのだろう。

『The Guardian』紙のデイビッド・コン記者は、アル・サッドのホームスタジアムで対面したシャビの印象について、「3年に及ぶカタールでの生活に満足しているようだった」と語り、シャビ自身もそれを裏付けるようなコメントを残している。

「僕自身、カタールに来たことを"ファンタスティック"な体験だと考えている。家族と一緒にここで幸せな生活を送れているし、この国に親しみを覚えている。僕の娘はこの国で産まれたし、妻のお腹にはもうひとり、新しい子もいる。ここに居られることを光栄に思うよ。

 3年前にここに来たときはすべてが違っていた。レベルが低いリーグだと思われていたけど、優秀な外国人選手が数多く参入し、カタールの選手たちが彼らから多くを学ぶことで、リーグ全体のレベルは少しずつ向上している」

 カタールでは現在、W杯のために7つの新しい巨大なスタジアムの建設が進んでおり、そのために80億~100億ドル(日本円でおよそ1兆~1兆2000億円)の予算を投入しているという。さらに、輸送設備などのインフラ整備にも200億ドルもの予算を割き、急ピッチで準備を進めている。

 選手の育成に関しても潤沢な資金を注ぎ込んでおり、成果は徐々に表われてきている。カタール代表のアクラム・アフィフ(22歳)などはその代表例で、前述のアスパイア・アカデミーを卒業後、スペインのクラブ(セビージャ&ビジャレアル)の下部組織やベルギーのオイペンなどで経験を積んだFWは、2016年夏にビジャレアルに完全移籍。ラ・リーガでプレーした最初のカタール人プレーヤーとなった(現在はアル・サッドにレンタル中)。

「新しい世代の彼らは、従来の古い体制で育った選手たちとは大きく異なる。最も大切なのは、育成を担当するアスパイア・アカデミーだ。この組織は新しい世代からプロを輩出し続けていて、その計画は現在まで、上手く進んでいると思う。

 カタール代表監督のフェリックス・サンチェスも非常にいい。もちろん、彼らがブラジルやスペインなどの強豪と対戦して勝つことは簡単じゃない。けれど、2022年までこのまま順調に準備が進んだとしたら、それなりにいい勝負をするんじゃないかな。まあ、あと4年でどれだけやれるかは確実ではないけれど」

 ちなみにサンチェスは以前、バルセロナのカンテラで指導していた人物だ。

次ページ「冬でもこの国は気温が25~30℃ある」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事