原因はレフェリーの勘違い! 元W杯主審・上川徹氏が語った前代未聞AT18分超えの経緯は?

2018年11月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「なんで終わらないんだというイライラもあった」原博実氏は選手たちの心情を慮る

2枚目のイエローカードを提示されたウェリントン。六反を投げ飛ばした行為は許されないが、主審のゲームコントロールにも問題があったのは確かだろう。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 Jリーグは11月28日、公式サイトで動画コンテンツ【Jリーグジャッジ「リプレイ」 #10】を配信。「清水vs神戸 なぜ後半アディショナルタイムは18分を超えたのか?」と題して、大荒れとなった一戦の問題点に、Jリーグ副理事長の原博実氏とJFAトップレフェリーグループシニアマネジャーの上川徹氏が切り込んだ。

 まずはMCである芸能界きってのJリーグ通、平畠啓史さんから「清水エスパルス対ヴィッセル神戸、90分が終わってからアディショナルタイムが18分50秒。負傷や得点も重なりましたが、これをどう捉えたらいいのか」と問題提起がなされると、2006年ドイツ・ワールドカップで3位決定戦の主審などを務めた経験がある上川氏は、件のアディショナルタイムについて、次のような見解を示した。

「アディショナルタイムの考え方というところで、結果的に18分50秒かかっているが、18分50秒がアディショナルタイムではなく、あの試合では4分と表示されましたが、その4分を消化するためにかかった時間。負傷者が出たり、選手同士が揉めたり、得点があったり。要は4分を消化するためにかかった時間が18分50秒だったということで、アディショナルタイムが18分50秒という考え方は変えた方が良いと思います」
 
 そのうえで、「アディショナルタイムの4分というのは、4分から4分59秒までという考え方を持ちながらレフェリーは時間をマネジメントします。ただ、(清水対神戸戦は)全体的に実際にインプレーだけの時間を計ると、4分59秒を超えているので、レフェリーのほうの時間の管理に間違いがあったと考えています。最終的に6分から7分くらい長く試合をやっている」として、レフェリーのミスを指摘した。

 これに対して原氏は「やっぱり長いな」という印象を語った後、「最初に河井が怪我をしてプレーを止めた時で3分40秒くらい経っていた。現場の両方の選手、スタッフは当然あと30秒、あっても1分くらいだと。そう思って再開したのが、なかなか終わらないんで、『なんで終わらないんだ?』というイライラが、特に勝っていた神戸側にはあったと思う」と選手・スタッフ側の心情について言及。さらに六反の同点ヘッドが決まり、試合が振出しに戻った後も試合が延々と続いたことに触れ、「神戸の選手にしてみれば、もう終わっているはずなのに同点になってしまった。同点になって、それで終わりかなと思ったらまだ続いている。まだ続いてファウルが起きたりして、それで大混乱につながったのかな」と語った。

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