中村憲剛が梶山陽平の引退セレモニーに感じたことは?「年下がピッチを去るのは…」

2018年11月24日 本田健介(サッカーダイジェスト)

試合はFC東京に完封勝利

追加点を決めた長谷川を祝福する中村。FC東京との一戦は2-0で勝利した。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ33節]FC東京0-2川崎/11月24日/等々力
 
 J1リーグ33節で行なわれたFC東京と川崎の"多摩川クラシコ"は、アウェーの川崎に軍配が上がった。前節にリーグ優勝を決めていた川崎は、怪我(眼窩底骨折)の小林悠に代わって先発した知念慶が19分に、相手のミスを見逃さずに先制ゴールをマーク。50分にはこちらも先発起用された長谷川竜也が、知念のシュートのこぼれ球を詰めて加点。プロ初先発のボランチ・田中碧も奮闘するなど、フレッシュな顔ぶれで完封勝ちを収めた。
 
「優勝が決まってモチベーションが定まらない中で、今日は監督も選手もベクトルを合わせて勝つことができたのは良かったと思います。今日は良いゲームができました」と振り返った中村憲剛は、これまで出場機会が限られていた選手たちの活躍を喜ぶ。
 
「普段出ていない選手が出たことで締まった部分もあったと思います。彼らの溌溂さは良かったですし、結果も残してくれた。こういうのがチームを分厚くしていきます。それは彼らにとって自信になるし、今日出られなかった選手も『じゃあ次は俺が』となる。そして普段出ている選手の刺激にもなる。そういう意味で今日は収穫が大きかったゲームだと思います。負けて臨むゲームだったので、姿勢というか、自分たちがチャンピオンであることを見せなくてはいけなかったですし、締まったゲームができて良かったです」
 
 また、この試合では、先日現役引退を発表したFC東京の梶山陽平のセレモニーが行なわれたが、この点について質問すると、「寂しいですよ。ずっとJリーグを盛り上げてきた選手なので。ましてカジは年下ですからね。去年のナオ(石川直宏)もそうで。年下が引退していくほど寂しいことはない。(先日、引退を発表した川口)能活さんはスーパーレジェンドだけど……。年下はやっぱりしんどい」と口にした。
 
 ただ、独自の考えとともにエールも送る。
 
「カジは今後もFC東京に貢献するはずだし、クラブとしてもそういう人材を大切にする必要があるのかなと。それはクラブの垣根を取っ払って、誕生から25年経ったリーグとしても選手のセカンドキャリアは考えなくちゃいけないと感じます。各クラブの考えもあると思いますが、選手を大事にできるか、そこが大切になってくるはずです」
 
 38歳となった今季もプレーのクオリティを落とさずに、チームのリーグ連覇に貢献した中村。「僕は走り続けます」と言葉を残して、"川崎のレジェンド"はスタジアムを後にした。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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