4位札幌を牽引する“タイのメッシ”が「かなりハイレベル」と絶賛するJリーガーは?

2018年11月22日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

チャナティップ自身のステップアップについても言及

『サッカーダイジェスト』のインタビューに応えたチャナティップ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 32節を終えてACL出場圏内に迫るリーグ4位につける札幌。チームを前線で引っ張るのが158センチの小柄なドリブラー、チャナティップだ。そのプレースタイルから"タイのメッシ"の異名を取る彼は今シーズン、チームとともに大きな飛躍を遂げている。

 そのクライマックスのカギを握る札幌の18番に「今シーズンを振り返って、最も印象に残った試合は?」と尋ねてみた。そして返ってきた答えは……。

「いやあ、実は終わった試合のことはあまり覚えていないんです。今シーズンはここまで7ゴールを奪っていますが、どのチームから点を獲ったのか、ほとんど覚えていないくらいですから(笑)」

 ならばと、「今年対戦した選手で印象深かった選手は?」と問えば、数名の名が挙がった。
「けっこういますね。まずチームメイトの稲本選手や小野選手は本当に凄い。他のチームで言えば、中村憲剛選手、小林悠選手、鈴木優磨選手、家長昭博選手などが印象に残っています」

 他チームで名前が挙がったのは、J1王者の川崎とACL王者・鹿島のアタッカーたち。例えば、今季を通じて「フィニッシュが課題だと感じている」というチャナティップにとって、昨シーズンの得点王である川崎の小林のパフォーマンスはどう感じているのか?

「シュートはもちろんですが、タイミングの取り方も良い選手。いつも良いコースに、良いタイミングで入っていける。それでキックも正確だから、多くの得点を挙げられるんだと思います」

 小林だけでなく名前を挙げた選手たちは、「自分の印象ではかなりハイレベルな選手たちばかり。みんな海外でプレーできるんじゃないかな」と絶賛する。そして、今シーズン上位を争う札幌を牽引するチームメイトたちのなかでは「(深井)一希に、駒井(善成)、あと三好(康児)。これから海外に行ってプレーできるレベルの選手たちだと思っています」と、中堅・若手たちの前途を有望視する。
 
 それなら、「自分自身にさらなるステップアップの意思はありますか?」と水を向けると、謙遜の笑みを湛えながら、こう返してきた。

「そういう考えがないわけじゃないけど、かなり難しいんじゃないかなと思っています」

 ヨーロッパの主要リーグは、現段階では遠い世界なのか?
「間違いなくそう思います。やっぱり、アジアのリーグよりヨーロッパのほうが激しい競争があると思いますから」

 しかし、今季のJリーグでの活躍ぶりを見れば、欧州スカウトの視界に入っている可能性は大いにあるだろう。近い将来のステップアップがあったとしても、不思議ではないはずだ。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

※『サッカーダイジェスト』12月13日号(11月22日発売)のインタビューより抜粋して転載

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