中島でも大迫でもない、アジアカップでチームの中心に立つのは遠藤航だ

2018年11月21日 佐藤俊

遠藤が注目したのは、攻めている時のリスクマネジメントだった

指揮官から絶大な信頼を得る遠藤。バックアップの選手をテストしたキルギス戦で起用されなかったのは、すでに合格点を与えられた証だろう。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

「まぁ相手が相手ですけど、アジアカップに向けては貴重なシミュレーションになったと思います」
 
 ベンチでキルギス戦を見ていた遠藤航は、そう言った。
 
「アジアカップでは今日みたいなゲーム展開が増えると思うんです。攻撃が停滞気味になると、ちょっと引っ掛かってカウンターを受ける。でも、本番では今日の相手よりもさらに組織化されたり、カウンターのスピードがあるチームが多いと思うんで、好守のバランスを後ろがしっかり取ってやっていきたいと思いましたね」
 
 この日のキルギスはFIFAランキング90位で、2019年1月5日から始まるアジアカップにも参戦する。今大会から参加国が16か国から24か国に増え、韓国、オーストラリア、イランなど強豪国に加え、実力差のあるチームとも日本は戦うことになる。
 
 アジアカップでは日本に対して多くのチームがラインを引いて守備的に戦う。
 この日のキルギスもまさにそうだった。
 ハーフコートマッチになり、キルギスは5バックにして全員が必死に守っていた。そういう相手をいかに崩してゴールを奪うのかが、アジアカップにおける日本のテーマのひとつになるのだが、この日のキルギス戦は4得点。
 
 19分まで2得点を挙げたのは良かった。
 その後は単調な単独突破に終始し、攻めあぐねている中でボールを奪われ、カウンターを喰らうことが増えていった。
 
 遠藤が注目したのは、ここだ。攻めている時のリスクマネジメントをどうするのか。
 
「好守の切り替えが生命線なので、そこは常に練習でも意識付けされているし、厳しくやっています。大事なことは自分たちが攻めている時に常に状況を見て、コーチングし、味方の選手を守備でどういうふうに動かすか、ですね。そこは声に出して言いますし、しっかり伝えないといけない。攻撃は前線の選手に任せつつ、自分が前に行ける時にはいくけど、基本は後ろからバランスを自分が見るようにしています」
 
 遠藤はそう語ったが、実際、代表ではその通りのプレーを実践している。それがチームに非常に効いている。
 

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