ビッグクラブの重役も参加した「サミット」に潜入! 今、重要視されている「FANGs」って何!?【英国人特派コラム】

2018年11月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

ヤンキースやソニーの重役らがスタンフォード・ブリッジの地下に集う。

あらゆる企業の重役が集ったサミットで話し合われたのは、どれも興味深いものばかりだった。 写真:STEVE MACKENZIE

 私は先月12日、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジで開催された、とあるサミットに参加した。世界各国でスポーツビジネスに携わるディレクター、1800名以上が一堂に会して、意見を交換し合う『リーダーズ・ビジネス・サミット』である。

 スタンフォード・ブリッジの西スタンドの地下で行なわれたこのサミットに参加した"リーダーたち"、すなわちクラブの重役たちの顔ぶれは、錚々たるものだ。スポーツクラブからは、チェルシー、バルセロナ、インテル、ドルトムント、エバートン、ニューヨーク・ニックス、サンフランシスコ49ers、ニューヨーク・ヤンキースが揃った。

 さらに、ラ・リーガ、リーグ・アン、プレミアリーグ、NBA、MLB、NFL、UFCといった統括組織に加え、ワーナーブラザーズ、Amazon、マイクロソフト、エティハド航空、ソニーピクチャーズといったスポーツイベントに投資している一般企業からも名うてのビジネスマンたちが集い、2日間に渡って重要な意見を交換し合った。

 彼らは、全員がステージに登壇。そして今、彼らが何をしようとしていて、それはどこまで実現性があるのかを説明した。さらに、スポーツビジネスにおける「金」がもたらす影響についても話し合われた。いずれも力のある企業の言葉だけに、説得力あるものだった。

 この会において私が最も気になっていたのは、スポーツの在り方が世界でどのように変化しているのか? ということだった。

 日本の読者の皆さんは、すでに「DAZN」がもたらした変革を実感していることだろう。実際、彼らは世界のスポーツビジネス界においても、有力な企業として名を馳せている。

 これまでトラディショナルとされてきたスポーツの消費方法を大きく変えたDAZNは今、「スポーツ界に化学反応を起こした」企業として認知されている。日本ではJリーグが、その化学反応の恩恵を最も受けていることだろう。

 DAZNのようなグループを「FANGs」と呼ぶのだが、今、彼らはスポーツビジネス界において大きな役割を担っている。

「FANGs」とは、Facebook、Amazon、Netflix、Google、そして"その他"の総称で、DAZNのようなメディアを含めた彼らのような企業は、一つの媒体としてあらゆるスポーツ放映の権利を買い占めている。

 例えば、Facebookはタイでチャンピオンズ・リーグ(CL)の放映する権利を持っていて、Amazonはイングランドでプレミアリーグの一部のコンテンツを利用する権利を持っている。一時、話題となったマンチェスター・シティのドキュメンタリーは、その権利を活かしたものだった。

 彼らのようなスポーツビジネス界に革新的なものをもたらさんとする新しい企業が、今後も増えていけば、業界の活性化に繋がり、消費者、すなわちファンたちにとっても、より良いスポーツ観戦ツールが生まれると言えそうだ。

次ページチェルシーのチェアマンが語ったサッカー界の10年後。

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