【2014南関東総体】男子決勝|残り2分の同点劇! 東福岡が17年ぶりの夏の王者に|東福岡 4-1 大津

2014年08月08日 森田将義

大津のマークのズレを見逃さず、東福岡が土壇場で追いつく。

17年ぶりの優勝を飾った東福岡。終盤での勝負強さが光った。(C) SOCCER DIGEST

「内容が乏しかったかもしれないけど、結果をしっかり出した彼らは頼もしかった」。試合後、見事な逆転劇で17年ぶりの日本一を掴んだ東福岡の森重潤也監督は、最後まで諦めずに戦い抜いた選手たちをそう称えた。
 
 ここまで先行逃げ切りの展開で勝ち上がってきた東福岡は、この試合でも立ち上がりから、赤木翼と増山朝陽の両サイドが果敢に仕掛け、先制点を狙った。しかし、攻撃陣の柱である中島賢星が「何もできなかった」と唇を噛んだように、集中力を保った大津の守備陣を崩し切れない。それでも、前半8分には中盤でルーズボールを拾ったMF中村健人が素早く右サイドに展開し、増山が素早くゴール前に入れたクロスを木藤舜介が押し込んだものの、これはオフサイドとなった。
 
 対する大津はカウンターでチャンスを伺う。前半24分には左サイドでスローインを受けたFW一美和成が身体を張ってボールをキープすると、フォローに入ったMF田原悟がワンタッチでペナルティーエリア左へ展開。反応したMF葛谷将平からのパスをゴール前でフリーのMF古庄壱成が決めて、大津が先制した。東福岡も負けじと29分に右サイドを破った増山が強烈なシュートを放ったが、GK井野太貴に阻まれ、1点ビハインドで前半を折り返した。
 
 今大会、初めてリードを許して後半を迎えた東福岡だったが、「僕たちは2年間ずっとフィジカルトレーニングをしてきたので、走り勝つ自信がある」(MF近藤大輝)と運動量で相手を上回り、後方からのビルドアップで相手を押し込む。後半22分にはFW木藤舜介がルーズボールの処理に飛び出したGKをかわしてクロスを送ると、ゴール前で受けた増山が決定的なシュートを放ったが、DF河原創のクリアに掻き出され、1点が遠い。
 
「途中までは思い通りの展開」と平岡和徳監督が振り返ったように、誰もが大津の勝利を確認していた。後半29分にはこれまで通り、DF時松拓海を投入し、東福岡のエースMF中島賢星のマンマーク役に任命。試合を締めにかかったが、「僕のポジションのイジり方が悪かった。マークがズレて、相手の左サイドが空いてしまった」(平岡監督)。
 この僅かな隙を狙った東福岡は後半33分、MF近藤大貴が左に展開。フリーで受けた赤木が「触らなくてもいいボールをゴール前に入れた」というクロスは、直接ネットに吸い込まれ、延長戦に突入した
 
 九死に一生を得た同点弾で勢いに乗った東福岡は延長戦でも大津を押し込み、延長前半4分には自陣左でボールを奪ったDF末永巧が前に出ていたGKの位置を見て、ハーフウェーライン付近からロングシュート。これが必死に戻るGKの頭上を越え、ついに逆転に成功すると、試合終了間際にはFW餅山大輝、増山が連続で加点。4-1というスコアで、東福岡が二度目のインターハイ制覇を成し遂げた。
 
取材・文:森田将義(フリーライター)

【総体photo】決勝|東福岡-大津

男子|決勝の結果
東福岡(福岡) 4-1 大津(熊本)
得点者 東=赤木、末永、餅山、増山
      大=古庄
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