日本代表に舞い戻った杉本健勇――川崎戦の意地のゴールを“起爆剤”にできるか

2018年11月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「いつ呼ばれても良いように準備していました」

11月シリーズは追加招集となった杉本。結果を残せるか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 実に10試合ぶりのゴールだった。

 11月10日のリーグ32節、川崎との一戦。負ければ相手のリーグ優勝が決まるゲームで躍動したのが杉本健勇だった。55分に味方のグラウンダーのクロスを巧みにトラップすると、対面した谷口彰悟を華麗にかわして左足を一閃。貴重な先制ゴールを奪ってみせた。そして1-1で迎えた後半アディショナルタイムには、センターサークル付近から左サイドにボールを展開して勝ち越し弾の起点となった。
 
「俺が一番取りたかったし、俺が一番、この試合に懸ける想いは強かったと思います」
 
 古巣との一戦で意地を見せた男の活躍は、森保一監督の目にも留まったようだ。ACL決勝の第2戦で鹿島の鈴木優磨が負傷すると、杉本の追加招集を決定。杉本は11月13日の夜からチームに合流し、この日からトレーニングに参加。もっとも準備はしていたという。
 
「怪我をしたと聞いていたので、自分で動いていました。いつ呼ばれても良いように準備していました」
 
 森保ジャパンには9月シリーズも選出されたが、右足を痛めて途中離脱。新体制ではまだデビューに至っていない。ただ11月シリーズで結果を残せば、来年1月のアジアカップのメンバーに滑り込むことも可能だろう。

 昨季は34試合・22ゴールの活躍を見せ、ハリルジャパンの常連になりつつあったが、今季は28試合・5ゴールと苦しい時期も過ごし、目標だったロシア・ワールドカップのメンバーからも漏れた。それでもコツコツと自分を磨いてきた。
 
「(川崎戦で)取れなかったらここに来れていないと思います。ちょっとずつの積み重ねが大事。だから次は代表で決めたいです」
 
 果たして川崎戦での勢いを代表にもつなげられるのか。青いユニホームを纏い、雄叫びを上げる姿をまた見てみたい。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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