【選手権】冬の主役だ! プロ大注目の桐光学園FW西川、鮮烈ゴールで初の選手権切符!

2018年11月12日 平野貴也

わずかな一瞬の隙。西川には、それで十分だった

すでに高校サッカー界では抜けた存在の西川。Jスカウトたちの熱い視線を集める。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 第97回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は、11月11日にニッパツ三ツ沢球技場で決勝戦を行ない、桐光学園が3-0で三浦学苑を破り、2年ぶり11回目の本大会出場を決めた。先制点を奪い、ダメ押しの3点目をアシストして勝利に大きく貢献したのは、U-16日本代表FW西川潤(2年)だった。

 特に、先制ゴールは、圧巻だった。

 立ち上がりは、三浦学苑が押し気味で、西川は柔らかいタッチのキープで攻撃の起点を作り、相手を引き付けて味方へパスを出すプレーが多かった。しかし、前半26分、前線から中盤に下りてパスを引き出すと、相手のマークが緩んだ隙を見逃さずにターン。寄せてきた相手のボランチをドリブルでかわすと、すかさず加速した。左前方へのドリブルで、カバーに来る相手を置き去りにすると、対角へのシュートを難なく決めた。

 西川は「点を取って流れを変えようと思っていた。中盤に少し空いているスペースがあったので、そこで反転して、ひとり抜いて、左のコースが見えた。自分の特徴を活かしてフィニッシュまで行けた」と涼しい顔でゴールを振り返った。


 
 チームは勢いに乗り、8分後にはFW敷野智大(3年)が追加点。後半は、三浦学苑に押し込まれたが、後半32分に西川が右サイドでルーズボールを拾い、ドリブルから放ったスルーパスを右MF阿部龍聖(3年)が決めて3点目を奪った。西川は「相手が疲れている時間帯で狙っていた。走って自分でボールを奪って仕掛けるプレーは、昨年まで少なかった。いままでは、味方からパスをもらうばかりだった。インターハイとか、U-16日本代表で経験をさせてもらい、自分で成長を感じている部分」と手応えを語った。

 西川は、横浜F・マリノスジュニアユースの出身。ユースに昇格できる力を持ちながら、兄の公基(現・神奈川大)を追って桐光学園の門を叩き、入学前の親善大会から10番を背負っている注目株だ。2年生になった今季は、夏のインターハイで通算6得点を挙げて準優勝に貢献。タイトルこそ逃したが「西川の大会」と印象付ける活躍を見せた。10月には、 U-16アジア選手権の決勝戦で日本を優勝に導くゴールを決め、大会MVPにも選出された。

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