悲願のACL初制覇へあと1試合!鹿島の選手たちは第1戦の「2-0」をどう捉えているのか?

2018年11月06日 小室功

第1戦にスタメン出場した安部は、19歳とは思えないほど頼もしい

ACLで5戦連発中のセルジーニョ。決勝第2戦でも期待がかかる。写真:徳原隆元

「まだ(ホームでの)"前半"が終わっただけで、何も成し遂げていない。次のアウェーがもっと大事になる」
 
 11月3日、ACL決勝の第1戦を2-0でものにしたとはいえ、鹿島の大岩剛監督は"後半"に向けて気持ちを新たにした。
 
 Jクラブ最多となる国内19冠を誇る鹿島にとって、是が非でもコレクションに加えたいのがACLのタイトルだ。8回目の挑戦で、ついに手が届くところまできた。目前に立ちはだかるのはイランの古豪・ペルセポリス。フィジカルの強さと高さを前面に押し出し、堅守速攻を武器に勝ち上がってきた。鹿島と同様、初のACL制覇を目論んでいる。
 
 第2戦は11月10日、およそ8万人収容可能といわれるアザディスタジアム。数多くの国際経験を積んできた鹿島にして、初めての中東の地となる。
 
「ACLを戦ってきたなかで、アウェーで楽な試合はひとつもなかった。テヘランのスタジアムはこれまでとはまた違う雰囲気になるだろうと予想している。まずはアグレッシブに戦うこと。セットプレーも含め、自分たちのベースであるいい守備から効率のよい攻撃につなげていきたい」と、大岩監督は警戒心を強めつつも戦い方のベクトル合わせに余念がなかった。
 
 初のアジア王者がかかる大一番を前に、選手たちも頭のなかをしっかり整理している。
 
 インドネシアで行なわれていたU-19選手権から急遽、鹿島に呼び戻され、第1戦のスタメンに起用。つかみどころのないドリブルで相手を混乱させた安倍裕葵は「2-0は危ない数字と聞くし、アウェーで難しいポイントはたくさんある。それでもひとつずつ整理して、すべてを"想定内"にしておけば、それが勝因につながるはず。アウェーの環境でこそ力を発揮しないといけない。(相手チームを応援する)人が多ければ多いほど、自分の持っている力を出せる。いい選手とはそういうことができる」と、19歳とは思えないほど頼もしい。
 
 日頃からクールな印象の西大伍は冷静さに磨きがかかる。
「(0-2で負けている)相手はやり方を変えてくると思うから、どう対応するか。具体的には試合が始まってみないとわからないけれど、当然、攻撃的にくるはず。デカい選手を入れてきたりね。準決勝の水原三星(韓国)とのアウェー戦で、それをやられて、戸惑ってしまった経験があるので、あまり楽観的には思っていない」
 

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